HappyBirthday 桂小太郎くーん!!!
といいつつ、サイトでのお祝いは、間に合わなかったわけですが(爆)。えーっと、本誌展開でぶっ飛んだとも言います。
それはさておき、いよいよ二日後に迫った、かぶき町大集合と、プチオンリーコタ誕4合わせの、本が出ます。
XYZの世羅さん、黒船来航のみやさん、そしてミズキさんとの合同誌です!
桂さんのお誕生日をテーマに、土桂、沖桂、山桂、終桂の、真選組×桂本です。もう一つ、メインCPじゃないCPを書こうという縛りがありまして。
つまり、若布は沖桂でなはなく、土桂担当です!! 楽しかったよー(*^O^*)
オフセット68頁、全年齢、お値段は500円になりますー。
スペースナンバーは、
東1ホール、イ74aでお待ちしてます!!
6月27日訂正。東2ホールと書いてましたが、東1ホールが正解です。
以下サンプルー。
沖桂「アンハッピーバースデー」
依存性の強い新種薬物巴羅異蘇。その取引現場がここだという情報を掴んだ。
真選組も同じ売人を狙っている。桂が手を下さなくてもおそらく、今日の売人は捕えられる。
けれどそれでは不十分なのだ。
摘発しても摘発しても、巴羅異蘇が市場から消えない理由。それは押収した後で再び誰かが市場に戻しているからだ。
「20キロもの巴羅異蘇が出回るのを見過ごすわけにはいかん」
真選組の内部に不正があるとは思わないが、押収品を管理する警察庁の上層が信用ならない。
ゆえに桂が狙うは、横取りと完全処分である。
取引に使われるのは一階の工場エリアの一角だが、今は機械も運び出されているので隠れる場所もなくただ広い。
侵入して潜むなら天井や通気用ダクトなので、桂は二階エリアに向かうため慎重に足を進めた。
密売人はいないにしても真選組が隠れているかもしれないし、後から監視カメラなどが設置されているかもしれない。
「それにしても複雑な作りだな・・・ええと、豚コマを800・・・」
地図を取り出そうとしたらお買い物メモだったがむろん地図は別の場所からちゃんと出てきた。
しかし地図と現状が合わない。意味のない行き止まりに当たっている。道を間違えたかと引き返しかけて気づく。
走り出すが来たはずの道もまた行き止まりになっていた。防火シャッターが下りていた。
通路に並ぶ部屋のドアノブを回すが、開かない。鍵がかかっている。
その時、シューという微かな空気が吹き込まれる音が耳に入った。
『ガスか!』
悟るが逃げ場はない。桂の意識は遠のいた。
(中略)
「俺をついでだと」
怒りはしても桂の気迫は薄れつつあった。
天誅の名のもとに攘夷党が数多の事件を暴力的に暴き立てるために、真選組は何もできない集団だと今までどれだけ笑われてきたことか。
しかし今回ばかりは真選組の完全勝利だ。
沖田は最高に気分がよかった。
攘夷党を出し抜いたばかりか、桂を捕らえたのだ。
「山崎退の憂鬱」(山桂)
●蕎麦が好き。
●どう見ても不気味な生物をペットに持ち、可愛いと心から思っている。
●不可思議生物の名前はエリザベス。
●交友関係は広く人望も厚い。
●超超超超超危険人物とも知り合い。
●住居、詳細不明。但し、某町内付近と思われる。
●万事屋出現率高し。
隠し撮りの写真が挟んである手帳に書き込まれたそれらが、山崎が地道に集めた対象の情報だった。
地味な故に、ただひとつの問題点を除けば、諜報員としてはかなり優秀だ。
問題は、すべての情報が非番の日に集められたことにある。
そう、今回の山崎の隠密行動は極めて私的なものだったのである。
仕事ならば尾行でも、私的と言うことになれば話しが違う。
盗撮にストーカー、立派な犯罪者ではないか。
「そんなところで何やってんでぃ?」
「!!」
ぽんっと背後から方を叩かれて、山崎は言葉もなく飛び上がった。
後ろ暗いところがあると、驚きも倍増しようというものである。
「お、お、おっ、お沖田隊長!」
「なんでい?」
にんまりと独特の嫌味な笑みを浮かべているのは、自称も他称も鬼畜なサド王子、真選組一番隊隊長沖田総吾だった。
おそらく、沖田は自分の目的を知っている。
そう直感した山崎の背中を、嫌な汗がたらりと伝った。
「それは恋って言うんだよ」(終桂)
「──万事屋さんへ
先日は大変お世話になりました。おかげさまで私にも友達ができました。
さて、今回手紙を出させて頂いたのは他でもありません。この友達にまつわることなのです。
ある晩所用で繁華街の周りを歩いていると楽しそうな、しかし声を潜めて何やら相談しているらしい人達の話声が聞こえてきましたZ。
さりげなくそちらへ目を向けると、そこにいたのは皆屈強なおっさん達でした。この辺りは物騒な賊もいることです。悪事の計画であるなら阻止しなければと、私はこっそり彼等の会話に耳をそばだてましたZ。
しばし聞き入っていると、どうやら彼等は誰かの誕生日を祝う計画を立てていたようです。特に問題はなさそうだと立ち去ろうとした時です。私の耳に彼の友人の名が聞こえました。私は思わず立ち去ろうとしたことも忘れその場に根が生えたかのように立ちつくし、先程よりもしっかりと聞き耳を立てていたのですZ。
じっくりしっかりひっそりと、彼等が立ち去るまでその話を聞いてしまった私ですが、そこで自分も当然知っていてもよかったのに以前は気にしていなかった為、まったく見落としていた情報を手に入れたのですZ。
すなわち、来る六月二十六日が彼の誕生日だと言うことを!
おっさん達は桂の部下だったのでしょう。実に楽しげに浮かれた様子で彼の誕生日を祝う計画を立てていたのでした。そんな彼らの話を聞いて私は思いました。
私も彼の誕生日を祝いたい! と。
「さよならシェイクスピア」(土桂)
「御用検めである、真選組だぁぁぁぁっ」
閉ざされていた戸を破り、押し入った。何事かと出てきた家人や使用人達を押しのけ、ただまっすぐに床の間を目指す。
天人の文化を取り入れ、一階の最奥に造られたという床の間の障子を蹴破る。と、そこで土方らを出迎えたのは、思いもよらない光景だった。
桂がいない。
店の主だけが、白目を剝いて泡を吹いて、失神している。
「何でぃ、こいつは」
沖田の呟きに、土方が答えられるはずもない。多少の事情は知るだろう山崎を探そうと首を巡らした土方の耳に、悲鳴と、爆発音が響いた。裏口からだ。
奥の庭へ飛び出す。爆音と共に奔った閃光が、塀の上の人物を闇から切り取るように浮き彫りにした。
「ふん、まさか狗共まで動いていようとはな」
鋭い声とまなざしが、刺すように向けられる。厄日だ、奴の唇はそう動いただろうか。
確かめる間も与えずに桂は塀の上を軽やかに走り出した。沖田と土方も、その後を追う。
「待ちやがれ、かーつらぁぁぁっ!」
「待てと言われて待つ阿呆がいるか」
「テメェ、店の主に何しやがったっ」
「人の誕生日を祝うとうそぶいて手駒にしようと丸め込もうとしたり、あまつさえ一服盛ろうとした輩には、当然の報いだが?」
塀の上という不安定な足場にも関わらず、桂の足は速い。だがこちらも、今までの追いかけっこで塀だの屋根だの走らされたのだ。
彼我の距離は縮まる気配はないが、遠ざかりもしない。途絶えない足音に、桂はちらりとこちらを振り返った。
「てめー今日誕生日なんだってなぁ、なら俺らも祝ってやろーかぃっ! 存分にお縄を頂戴してやるぜぃっ」
「貴様等なんぞに祝ってもらっても、嬉しくもなんともない」
(中略)
どうしてこうなった。
土方が、手ぬぐいを手に突っ立っていると、どうした、と声がかけられる。
「早く拭いてやれ。寒いだろう」
言葉の主は、土方が買ってきた猫缶の蓋を開けていた。最近の缶詰は缶切り要らずなのか、と、しげしげと眺めていたのはついさっきのことだ。パキン、と硬質な音が、小さな土間に響く。
「拭けたか」
「い、今やってるってんだろ」
「乱暴に扱うなよ」
「わーってるよっ」
思わず力の入りそうになった手を緩めて、そっと、手ぬぐいを動かす。拾われた子猫はじたばたと身をよじらせて、これを丁寧にと言うのはなかなか骨が折れそうだ、と頭の隅で思った。
なお、世羅さんのスペースで、山桂の続きの話が、コピー本で出るそうです。
R18です(^O^*)