ぎりぎりすみません。コタ誕3のお知らせですー。
ちなみにスペースは、
東2ホール、Cの57のaです。お誕生日席でお待ちしてまーす。……でもホントになんで?
新刊。
「歳月記」
コピー誌、全年齢。沖桂になりきれなかったオールキャラ。
銀魂みくじ干支Verネタの、パラレルになります。
つまり、
子:沖田 丑:土方 寅:銀さん 卯:神楽 辰:桂さん
巳:ジャスタウェイ 午:近藤さん 未:エリザベス
申:さっちゃん 酉:坂本 戌:新八 亥:高杉
です。
彼らが、十二支の神様で、季節の巡りを司ってる的なパラレルです。
眷属として、ミツバさんとお妙さんが出張ります。だって、沖田視点だもん。
沖田視点なのに、沖桂なところまでいかなかったんだもん…orz
ページ数なんと52P。
うん、
バカじゃないのとは、本文作り終わってページ計算してから思った(爆)。
お値段200円になりますー「ワンダーランドアフター」とも同じ値段でごめんなさい!
他にも、「ワンダーランドアフター」「ツバメいついつ巣に帰る~エリ桂編~」「桂独占禁止法」「月に叢雲」「椿三景」「黄昏の旋律1」など、既刊いろいろ持って来まーす。
以下サンプルー。
(6頁)
~睦月~
十二の干支を司る、神がいる。巡る年ごとにその年の干支の神は歳神となって、一年の時を司る。今年は巳年。辰年の桂から新しい歳神へと一年が送られ、新年の儀式は無事に終わった。
「いや無理だってぇぇぇぇぇぇっ」
もちろん、関係者にはそれぞれのトラウマを残しつつである。その、もっとも深い傷を負わされただろう近藤は、まだ三が日も明けたばかりだというのにさめざめと涙をこぼしていた。
「来年俺だってやだぁぁぁぁぁ。アレから年送られるなんてもうやだぁぁぁぁぁっ。チェンジっ、チェンジでお願いします!」
「しょうがねぇだろ近藤さん。巳年の次は午だって、もう変えられねぇよ」
「来年来なくていいぃぃぃっ! マヤ文明の滅びの年は今年だったんだきっとそうだぁぁぁぁぁぁっ」
歳神にあるまじき言葉だが、もちろん近藤とて本心ではない。年を送られれば、結構しっかり一年を司るのである。無論、こんな風に酒に溺れたりはせずに。
「ほら近藤さん。いやな事は酒でも飲んで忘れやしょうぜ」
「こら、総悟っ」
(28頁)
~弥生・弐~
「……何故、貴様がここにいる」
「そいつぁこっちの台詞でさぁ」
ちょっと気まずそうな顔で、質問に質問を返すなと、桂は答えた。
「俺はここに用があったのだ」
「奇遇ですねぃ、俺もでさぁ」
「貴様がここに何の用事だ」
「桂は、何でここ来たんでさぁ?」
オウム返しのやりとりに、柳の葉のような眉がきゅっと寄せられる。物静かな雰囲気とは裏腹に、こいつは怒りの沸点が低い。さて、どうしようかとさまよう視線が、桂の手元に落ちた。ぷんと、酒の匂いが鼻につく。
「アンタが酒持ち歩くたぁ、珍しいですねぃ。高杉のこと言えねーんじゃねぇですかぃ?」
「これは俺のではない」
「じゃ、誰のですかぃ?」
(33頁)
~卯月~
君子危うきに近寄らず。
そういうわけで、沖田が避難先に選んだのは、眷属らを撒いて一人酒を飲んでいる、高杉のところだった。
「……何だ」
「いや別に?」
じろり、と睨まれる。高杉の腰掛けた岩の下には、一升瓶が転がっている。一人で空けたのだとしたら、また桂に怒られそうだ。
沖田が黙っていると、高杉はまた自分の杯に酒を注いだ。それをすぐに呷るのではなく、静かに視線を落としている。
「飲まねぇんですかぃ?」
「目で味わってんだよ」
「はぁ」
沖田には判らない世界だ。高杉はこちらの内心を読みとったかのように、まだガキだな、と笑った。
「……そりゃ、誰かみたいに大酒かっくらって怒られるようなトシじゃねーですけどねぃ」
「何が言いたい」
「いや別に?」
射殺すような、視線を向けられるのだと思った。実際に注がれたのは静かなまなざしで、内心の戸惑いを何とか押し隠す。
「聞きてぇのは、そういうことじゃねェだろ」
「何のことですかぃ?」
「桂に、釘刺された程度で諦めるたぁ、思ってなかったんだがな」