お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

ForReal

リク「銀桂と高杉で現代パロ。二人が出来上がってるのを知ってしまった高杉どうする!?」

指定はなかったんですが、高杉は「桂に恋してない」前提でお願いしますー。………でいいのかな、リク主さま(爆)。






 開けようとしたドアノブから手を離す。かすかに浮いたドアは音を立てて閉まった。そんなに大きな音は立たなかったはずだけれど、高杉にはすぐ隣に落ちた雷よりも大きく感じられた。
 一歩下がる。気づかれないうちにこの場を去りたかった。いずれ戻らなきゃならないとしても、今はここにいたことを知られたくはなかった。
 が。
 暗いのぞき窓越しに、銀時と目が合う。
 桂の口を強く吸いながら、赤茶の瞳はニヤリと細められた。


「遅ぇこの馬鹿もじゃっ!!」
 待ち合わせ場所に現れた坂本を、思いっきり殴った。出会い頭の攻撃に不意をつかれた坂本は、いつもの馬鹿笑いもなくうずくまっている。本気で痛かったらしい。
「何するちや晋坊~。」
「晋坊言うなっ。何べん言ったら判んだっ!」
 もう一度殴り倒す。地面に突っ伏したまま動かない坂本の襟首を引っ掴むと、ずるずる引きずりながら歩き出した。
「晋坊~、へち反対方向じゃぞ~。」
「うっせぇ黙れ。コンビニ行くんだよ黙ってつきあえ。」
「おお、愛の告白ぜよ。」
「黙れっつったろこの腐れ性病もち。」
 蹴り倒してどっかに捨てていこうかと本気で悩んだ。銀時と桂に、「馬鹿を迎えにいく」とメールしてなきゃ実行しただろう。あとアレだ、財布だ。
「コンビニで何買うんじゃ? 飲み物もおやつも充分あるじゃろ。ていうかあこのカラオケ持込不可じゃなかったかぁの?」
「タバコだよタバコ。むかつくからテメェ奢れ。」
「あすこに自販機あるぜよ?」
「TASPO忘れたんだよ悪かったなっ!」
 減らない口を抓りあげた。だいぶ回復してきたらしいバカ本は、「晋坊ご機嫌ななめじゃ~~~。」と笑っている。人の気も知らずに、と思うとさらにムカつきが増した。
 というか、何で自分がこんな目にあわなきゃならないんだ。
 元々、高校までは一緒だった幼馴染四人の、同窓会みたいなものだった。卒業して、上京したり地元に残ったりしてばらばらになった自分たちが久しぶりに会おうっていうだけだったのに。集合場所のカラオケで、何で自分がトイレに行った帰りに銀時と桂のキスシーンなんか見なきゃいけないんだ。
 戻りたくはなかった。その少し後に遅れていた坂本から駅に着いたとのメールが入り、渡りに船とばかりに迎えに出た。
 目撃してからまだそう時間は経っていない。当然自分の気も落ち着いておらず、このまま帰るのはいやだとコンビニの外で買ったばかりのタバコの包みを開く。
「晋坊? どうしたがだ?」
「見りゃ判んだろ。」
 タバコを口にくわえ、火をつける。吸い込んだ煙を大きく吐き出しても、ムカつきが消えない。気に入りの銘柄なのに、物凄く不味かった。間違ったんじゃないかとパッケージを確認してしまうほどに。
「なんじゃ? 久しぶりにヅラに会うんじゃろー? 行かぇうていいかえ?」
「うっせぇ。ニコチンくらい摂らせろ。」
 そうでないと、イライラのあまりこの能天気なもじゃを縊り殺してしまいそうだった。


「遅い。」
 戻ってきたら仁王立ちの桂に迎えられた。何でかいきなり正座させられる。その後ろでは、銀時が『GIROPPONN』を全部「ポ」だけで歌っている。
「どこまで坂本を迎えに行ったんだ。坂本からメールが来たのは30分も前だろう。」
「うっせーよ、人に出迎え行かせて何威張ってんだ。」
「お前が自分から行くと言ったのだろう………ん?」
 「ポ」の熱唱と、いそいそと曲を入れる坂本を尻目に、桂は顔を近づけた。先ほど見たものを思い出して高杉の心臓は跳ねる。そんな葛藤なんかよそに、襟元に顔を近づけられた。
「貴様っ、また煙草吸ったのかっ?」
「あぁ吸ったよ悪いかっ。言っとくけどこの前誕生日迎えたからな、二十歳は越したからなっ。」
「悪いに決まってるだろうっ。これ以上背が伸びなくなったらどうする気だっ!」
「背のことは言うなぁぁぁっ!!」
 怒鳴りあう後ろで、うっとうしかった「ポ」の熱唱が止まる。続いて、シンセサイザーのイントロが
静かにそして高まるように鳴ったかと思うと。
「ち~~ちちっちおっぱぁ~~~い、ボインボイ~~~~ン♪(ボインボイ~~~~ン♪)」
「「黙れ馬鹿本ぉぉぉっ!!」」
 ノリノリで歌う坂本(振り付けつきに、桂と高杉のダブルアッパーが炸裂する。
「アホな唄歌ってんじゃねぇっ!!」
「貴様、先に入れておいた俺の曲はどうしたっ? 『デイドリームジェネレーション』はどうしたっ!?」
「なーんかシャッフルされてしもうたぜよ~。」
「うっわ、お前まだ幽遊白書しばりしてたの。好っきだねぇ。」
「幽遊白書しばりじゃない、馬渡殿しばりだっ。」
「まだ好きだったのかよ………。」
 高杉がため息をつくと、「当たり前だっ!」と返される。
「良い歌うたいではないか。声も詩も、何より名前が良い。」
「そーかよ。」
 どんだけこいつは「松子」と名のつくものが好きなんだ。呆れかえる先では、駆けつけに入れた曲が桂の手によって消され、坂本が涙を流している。と思ったら次に流れてきたのは銀時が入れていた『千の風になって』で、ずるいずるいと喚く桂からリモコンとマイクを銀時が死守していた。
「貴様、さっきから自分ばかり歌いおってっ!」
「仕方ねーだろ、おめーの曲後回しにしてんのは俺じゃねーから、機械のほうだから。」
「店長を呼べ店長をぉぉぉっ!」
「判ったぜよヅラー、次はおんしに譲っちゃるきー。」
「あ、悪い。次も俺の曲だわ。」
「銀時貴様、そこに直れぇぇぇっ!!」
 もともと沸点は低かったけれど、高杉が寄り道したことで忍耐の底が尽いたままらしい。坂本に抑えられながらなおも暴れようとする桂と気にせず『千の風になって』を歌う銀時に、さっき見たものが幻だったように思えてくる。
 そうだ、きっと見間違いだ。どうせ桂がバカやって銀時にヘッドバットでも食らってたのを、勘違いしたんだろう。
 やっと気分が落ち着いてきて、高杉はリモコンに手を伸ばす。と。
「貴様、さっきから順番を飛ばされた俺に対する配慮というものはないのかっ?」
 岩よりも硬いゲンコツが降ってきて、リモコンを取り上げられた。


 自分の入れた曲を歌ってやっと桂の機嫌がおさまり、それから順に歌うことになった。
 バラードを唄いあげると、なぜかブーイングが飛んでくる。
「空気読めよ晋ちゃーん。」
「うっせぇ、おかしいのはテメェらだろ。なんでB’z歌って浮くんだよ。」
 マイクを坂本に放って渡す。ほんわかしたイントロが流れ、坂本は桂に手を差し伸べながら立ち上がる。
「ヅラー、デュエットするぜよー。」
「ヅラじゃない桂だ。まぁいいだろう。」
 フン、と鼻をならして、桂はもう一つのマイクを持って立ち上がった。デュエットする曲でもないだろうが、二人は裏声で『はじめてのチュウ』を歌いだす。
「アホだな。アホの会だ。」
「んなもんいまさらでしょー。何一人でまともぶってんの。」
 イチゴ牛乳片手の銀時に、隣に座られる。高杉は顔をしかめて、反対側へと寄った。
「うぜぇ、あっち行け。」
「あら冷たい。心配すんなよ襲ったりしないから。」
「たりめーだろ、何キモいこと言ってん」「お前ヅラじゃないしー。」
 はっと顔をあげる。近い距離で目が合った。銀時の目が、伏せた三日月のように細められる。
「俺トイレー。」
 いきなり立ち上がり、銀時は出て行った。ノリノリで歌ってる二人を一度見てから、高杉も後を追う。
「待てよ。」
 廊下で追いついて肩をつかんだ。銀時は振り向いて、口の端を持ち上げる。
「何だよ、いきなり何を言って」
「見たんでしょ?」
 アレ。
 囁かれて絶句した。見間違いだと思いたかったそれが、真実だと思い知らされる。
「テメェ。」
「そーゆーことだから、俺とヅラ。」
 にへらっと笑う。けれど、細められた眼は見たことがないほど冷たい。
「テメェ、わざと俺に見せつけたな。」
「まーね。」
 そう言って、背を向ける。人を食ったような笑い方が癪に障った。同時に、そこまでして牽制しようとする銀時に、何考えてんだと呆れかえる。
「つーか、ヅラだぞ? 本気かよ。」
 確かにきれいだし、傍から見ているだけならいい眼の保養だ。そこらの女よりもずっと。けれど、ひとたび口を開けば説教魔でうざったいし、電波だし、好みが渋いんだかかわいいんだかよく判らないし、外見に反してそこらの男より男らしいし。
 そんなのは、物心つく前から一緒だった高杉自身が何より知っているし。目の前のこの男だって同じはずだ。
「ヅラだよ? 判ってっけど?」
 銀時は振り向いて、答えた。まなざしはやる気が皆無でどこまで本気か読めない。
 けれど、感じてしまった。
 こいつ、マジだ。
「そーゆーことだから、晋ちゃんよろしく~。」
「うっせぇ、晋ちゃん言うな。」
 睨みつけてやっても銀時は動じない。慣れているだけではない、自分の中に、怒りよりもっと大きな感情があるからだ。
「よろしくって、何をよろしくすんだよ。」
「あら、言わなくても判ってるくせに。」
 呆れて、ものも言えない。幼馴染の自分に勝手に妬いて事をばらすほどあの馬鹿に惚れこんでるらしい銀時だけじゃない。
「テメェがどうなろうが俺の知ったこっちゃねぇけど。」
 その銀時の、言わんとしていることがあれだけで全部判ってしまって。
「………ヅラ泣かせたら承知しねぇぞ。」
 そんな風に、思ってしまう自分自身に。


「あーそれ辰馬にも言われたわ。」
「マジでか。俺が最後かよ。」
 




                         ~Fin~
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by wakame81 | 2008-10-13 19:58 | 小説。  

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