お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

≪太陽≫の花は真実を照らすか~審理編:後

検察側の尋問、終了。とりあえず、今日はここまでで。

ここで金田一少年とかだったら犯人あてクイズができたりするんですが、「犯人を特定するすべての情報」が提示できてないのでクイズはなしで。






「次の証人は、被害者の司法解剖を行った、ホワイトジャック博士です。」
 証言台に立ったのは、左目付近に縫った痕をもった、白衣の男だった。宣誓のあとに経歴が語られ、彼が信頼できる検察医であることが証明される。
「あなたは、金加瀬太郎氏の検死解剖を行いましたね?」
 ホワイトジャックは鷹揚にうなづく。そして尋ねられるままに、被害者の死因が前頭部殴打から起こった内部出血による頭蓋内圧の上昇によるものだということ、そばにあった割れた壷から被害者のものと思しき血痕と皮膚をこすった痕が見られたことから凶器がその壷だということ、また法医学の症例を述べて死亡推定時刻が午後八時半から九時の間であることを証言した。
「詳しい内容は、書いた人が検死に詳しくないので省略だ。」
「桂さん、どこ向いてしゃべってるんですか。」
「それでは、壷の表から検出された指紋について教えてください。」
 証言は滞りなく進む。今までと同じように、ホワイトジャックは質問に答えた。
「まず、被害者。そして難波小吾氏。それから、志村妙のものだ。」
 新八のとなりで、桂が息を吐いた。口元に手を当て、証人をじっと見つめる。
「検察側は、この壷を証拠品として提出します。」
「被告側に異議はありませんー。」
 少し投げやりな口調で銀時は答える。続けて反対尋問となった。
「ホワイトジャックさん。被告人の指紋は、壷のどこに、どのようについていましたか?」
「この壷は、見てのとおり取っ手もなく、前後左右の区別ないものだ。その、側面についていた。壷の上方から円に見立てて見た場合、約九十度から百六十度ほどの間に、いくつかな。」
「供述書では、被害者は会談中に被告人に壷を渡して見せびらかしたとあります。そうすると、当然指紋はつきますよね?」
「そうですね。」
「ありがとうございます。反対尋問は以上です。」
 ホワイトジャックは台から下がろうとした。それを、歯牙の声が制する。
「裁判長。ただ今の反対尋問により、再度証人に質問しなければならないことが生じました。再尋問の許可をいただきたいのですが。」
 しなければならない、のところを特に強調しながら言う。
「再尋問を認める。証人は証言台に戻りなさい。」
「ありがとうございます。さてホワイトジャックさん。たった今証言した指紋のつき方、正しくは手の置き方で、壷を持ち上げて振り下ろすことが可能でしょうか?」
「可能だろう。百六十度も開いていれば、しっかりつかんで振り下ろすことはできる。」
 銀時の舌打ちが、聞こえたような気がした。新八はそっと桂を見上げる。
 かすかに眉をひそめていた桂は、視線に気づいたように新八を見て、笑った。


「最後の証人です。近藤勲刑事。」
「え?」
 新八は目を丸くした。その様子に気づいた桂が、新八の顔を覗き込む。
「どうした?」
「あの人、知ってる人です。いつもよく?してくれる刑事さんで? でも何でここに。」
 現れた近藤は、目を潤ませて妙を見つめた。視線に気づいた妙はぷんと横を向く。
「名前と職業をどうぞ。」
「近藤勲です。刑事をしてます。」
「あなたと被告人の関係を教えてください。」
「俺は、お妙さんの愛のナイトです。」
「ちょっ、ふざ」
 けるな、と続けようとしただろう妙の口を、銀時があわてて封じる。
「被告人はそれを、認めていましたか?」
「お妙さんは照れ屋さんですから。人前ではなかなか認めようとはしませんでした。」
「そのとき、彼女はあなたにどのように振舞いました?」
「お妙さんはツンデレですから。グーパンチは日常茶飯事でしたな。いいパンチを持ってるんですよ! 他にも、蹴られたりとか、踏んづけたりとか、」
 近藤はなぜか得意そうな顔で、日々の妙のDVを語った。
「そういうことか。」
「何がですか?」
 小声で新八は尋ねる。桂は近藤から眼を離さずに答えた。
「あの近藤というゴリラ、普段から君の姉上に引っ付いて、制裁を食らっていたのだろう。つまり歯牙は、その事実を明るみに出そうとしているのだ。襲われ、カッとなって被害者を殴り殺すだろうほどに気性が激しいことを。」
「………桂さん、原作の私情を挟まないでください。」
 新八は桂の腕をつかむ。私情入りまくりなのはさておき、歯牙の思惑がその通りだとしたら、まずいのではないか。
「案ずるな、新八君。性格がどうあれ、それは証拠にはなりえない。状況を固める程度のものだ。奴の証言のみでは君の姉上を有罪にするには足らんよ。」
「でも、歯牙って人がそういう証言をさせるなら、それなりに効果があるってことでしょ?」
「銀時だって、それは判っている。奴が何とかするさ。」
 不安は抑えきれない。それでも、見届けるべく新八は証言席へを視線を戻す。
 尋問はいよいよ佳境に入っていた。
「これらからあなたの感じた、被告人の性格をおっしゃってください。」
 近藤は胸を張った。大柄の体が法廷の光の中映える。
「お妙さんは、まっすぐな人です。拳は強く、そしてまっすぐです。自分のしたことをちゃんと判ってますし、同僚の女の子が困っていたらほうっておけない、そんな人です。無駄な言い訳はしません。」
 歯牙が目を見開いた。おそらく、今日の審理で一番慌てている。
「お妙さんがやっていないというのなら、本当にやってないんだと思います。」
「………っっ。」
 銀時が口元に手を当て、体を震わせてうつむく。法廷内に、なんだか和やかでほほえましい空気が漂う。
「お妙さーーーん!! 僕は、あなたの近藤はあなたの無実を信じていますー!」
「あら、ゴリラが何か言ってるわ。早く上野動物園が引き取りに来ないかしら。」
「ちょ、せっかくいいムードだったのに何言ってんのこの依頼人ーーー!!」
 銀時の叫びをきっかけに、法廷内を笑い声が満たした。


 検察側の審問は、そんな感じで終わりを迎えた。被告側控え室で、銀時、桂、新八、妙が顔をあわせる。今回が初顔合わせになるらしい桂と妙は、和やかに挨拶をかわした。それから二人して、お茶を淹れる。
「取りあえずは、こんなとこかね。」
 銀時はソファに深々と腰掛け、いちご牛乳をすすった。
「勝てそうなんですか?」
「んーー、多分?」
 新八の問いに、やる気なさそうに答える。代わりに、桂が口を開いた。
「今のところ、検察側の主張はこれで曖昧にできたからな。第三者の犯行の余地は皆無ではない。ただ。」
「指紋と、実際にぶん殴ったってのがあるからなー。お妙が最有力容疑者だってのは変わんねー。疑わしきは罰せずだから、無罪は取れそうだけど。」
「まだ、弱いな。」
 桂もソファへと腰を下ろした。裁判の記録を、顔つき合わせて覗き込む。
「私はやってないっていうのに、まどろっこしいんですね。いっそ、あの検察官を物理的に黙らせれば簡単じゃないかしら?」
「姉上、それやったら有罪判決です。」
「てかマジそれ止めて。裁判中、アンタ押さえんのが一番疲れたわ。」
 下手すりゃすぐに証人に殴りかかろうとすんだもん。
 いちご牛乳を飲み干し、記録書を桂に押しやって銀時は寝っ転がる。
「ヅラくんあとがんばってー。」
「ヅラじゃない、桂だ。お前も証言の矛盾を探さんか。」
「銀さんは疲れましたー。」
「まったく、大して労働もしていないくせに。お前が今日やったことといったら、人妻を苛めたことくらいではないか。」
「まーた人妻スキー発動させてるよ。人妻以外もいぢめましたー。」
「なら良し。」
 大丈夫なんだろうか。
 二人を見ていて、新八は何度も感じた不安に再度襲われる。
「大丈夫よ、新ちゃん。」
 お妙の手が、新八の肩におかれた。銀時と桂を見る、その横顔を見上げる。少し、頬がこけた気がした。かすかにクマもある。
 つん、と、鼻の奥が痛くなった。
「私たちはあの二人に賭けたんですもの。最後まで信じましょう?」
「姉上。」
「それでもしダメだったら、あの二人から抹殺しましょう?」
(………うわー………。)
 二人とも、逃げてーーーと言いたいがそれすら面倒になって、新八はため息をこぼした。





                                ~続く~
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by wakame81 | 2008-10-03 22:36 | 小説。  

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