お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

≪太陽≫の花は真実を照らすか~依頼編:後

助手の桂からのお知らせ。
この物語はフィクションです。実在するキャラクター、団体、制度、事件等とは何の関係もありません。マジで。





 二日後。
 プァンプァンと間の抜けたクラクションに、学校帰りの新八は振り向いた。見ると、路肩に見覚えのない軽自動車が止まっていて、運転席から見覚えのある白髪頭がひょっこりと顔を出した。
「坂田さん。」
「よー、乗ってくか?」
「はい。」
 二つ返事で助手席に乗り込む。シートベルトをつけてから、ウィンカーを出して車は発進した。歩くよりも速いスピードで後ろに流れていく景色を見ていた新八は、ふと運転席に目をやり、鼻の頭にかかった縁の赤いメガネを見つける。
「あれ。メガネなんですね。」
「ま、お仕事中だからねー。今日、警察に行ってきたんだけど。」
「姉に会えました?」
「てゆーか、お前の姉ちゃんおっかねぇな。」
 体をすくませて言う銀時に、思わず苦笑した。
「大体の状況とかも聞かせてもらった。今からうちで作戦会議すっけど、来るか?」
「いいんですか?」
「まぁ依頼人の身内だし、話持ってきたのお前だし、いいんでない?」
 前方の信号が、青から黄色に変わった。アクセルを踏もうとしてあきらめ、車は減速する。
「つかおめー、ヅラに話したろ。」
「あ、はい。」
 昨日のことを思い出す。
 高杉に、桂を戦力に組み込んだほうが確実に勝てるといわれ、彼にも相談したのだ。可能なら力を貸して欲しいと。
 そのことを話すと、銀時はまさに苦虫を噛み潰したように顔を歪めさせた。折りよく信号が青になり、アクセルが思いっきり踏まれる。
「うわわっ?」
「高杉のやろー、何がヅラ席から外してやっただ。最初から巻き込む気まんまんじゃねーか。」
「えっと、まずかったですか?」
 心なしかさっきよりスピードが出ている。左折する時のハンドルの切り方も勢いがあった。シートベルトがしっかりかかっていることを、こっそり確かめる。
「まーね。おかげでヅラくん、やけに張り切ってこっち手伝う気なんだよ。めんどくさいったらありゃしねぇ。」
「でも、高杉さんは桂さんも協力させたほうが確実だって。有能な助手なんでしょ?」
 そう聞くと、銀時は目を細めた。口元がかすかにへの字に歪む。
「坂田さん?」
「お、もうこんな時間じゃん。結野アナのお天気予報、聞かなきゃなー。」
 そう言ってラジオのボリュームを上げる。時間はまだ少し早く、知らないタレントが番組のお便りを読み上げるのを、新八も銀時も黙って聞いていた。


 午後七時四十二分。金加瀬金融会社社長、金加瀬太郎から被疑者志村妙に呼び出しの連絡が入る。
 午後八時半。被疑者、金加瀬金融会社事務所へ到着。
 午後八時四十分。何か争う物音を、事務所の下のラーメン屋店主が聞く。その数分後、雑居ビルの非常階段を駆け下りる被疑者の姿を、客の一人が見かける。
 午後九時。ラーメン屋店主が出前のどんぶりを受け取りに二階の事務所を訪れる。ドアは開いており、中を覗くと床に倒れている金加瀬社長と社員の難波小吾の姿を見つけ、警察に通報。金加瀬はすでに死亡。難波は重症のため病院へ搬送。
 ほぼ同時刻、被疑者より警察へ、強姦未遂の通報あり。
 午後十一時。殺人罪で被疑者の身柄を確保。

 現場の状態。
 現場は、ワンフロアに一つの店舗の、雑居ビルの二階。一回はラーメン屋「北斗心軒」。三階は子供向け英会話教室。四階はテナント募集。英会話教室は午後八時まで。
 入り口を入ってすぐが応接室になっており、奥に書斎。事件現場はその奥の部屋。金加瀬と難波は部屋の中央に倒れていた。死因は前頭部への殴打による撲殺。凶器は壷(事務所に飾ってあったものと思われる)。
 応接室ならびに書斎は荒された痕跡があり。志村家への借金の借用書のコピーが紛失していた。原本は金庫の中から発見されている。

「つまり、君の姉上が借用書を奪うために、被害者を殺害し社員に暴行を働いた、と検察は見ているのだな。」
「そんな………っ。」
 新八は絶句する。
「姉上はそんなことしませんっ! てかしたら絶対に言いますっ!」
 机を叩き割らんばかりの勢いで立ち上がる。「まぁ落ち着け」とお茶の入った湯飲みを差し出して、桂は銀時へと視線を向けた。
「どう見る?」
「まー、本人は否定してっしなー。つーか、警察にも信じねーならぶっ殺すみたいな勢いだったからなー。強要されても自白はしないだろーけど、あちらさんの心象思いっきり悪くするだろーなー。」
 無罪主張すんの大変かも、と呟きながら、茶をすする。
「姉を、信じてくれるんですか?」
「まーね。本人が言うならそれを信じて動くのが、弁護士の基本よ。」
 銀時はポケット手帳を取り出してぱらぱらとめくった。
「予備審問、明後日からだから。よろしくヅラ君。」
「ヅラじゃない、桂だ。相変わらず早いな。」
「予備審問?」
 聞きなれない言葉に首をかしげる。銀時と桂は顔を見合わせ、探るように視線を交わし、やがてため息をついて桂が口を開いた。
「正式の裁判に先立って、その案件が本当に起訴するに足りるかどうかを審理するものだ。細かく言うと、検察側の証拠をしっかりと洗いなおすことになる。本審は長ければ年単位の時間がかかるので、簡略化にも一役買っているのだ。」
「これで証拠不十分とされりゃぁ不起訴になるし、起訴ってことになっても向こうがどんな証拠をそろえてんのか判るから、やりやすくなるしな。」
「ただ、現実には戦後の法改正で予備審問は廃止されたんだがな。」
「フィクションの内情をんなとこでばらしてんじゃねーよ。」
『この物語はフィクションです。実在するキャラクター、団体、制度、事件等とは何の関係もありません』というフリップを出した桂を、銀時がばしっとはたく。
「………いいのかなぁ。」
「仕方あるまい新八君。何年単位の話を書いていたら、現実時間もそれくらいかかってしまうぞ。」
「いや、アンタたちに依頼したことです。」
 銀時と桂は再び顔を見合わせた。二人の眉がひそめられる。言い過ぎたか、と思った新八の肩を、二人はぽんと叩いた。
「まぁ、諦めてもらうしかないな。」
「そう心配するなや新八、1912年当時の世界最大の客船に乗ったと思えば。」
「タイタニック号かぁぁぁっ、泥舟よりもなお悪いわっ!」




                                    ~続く~
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by wakame81 | 2008-10-01 22:47 | 小説。  

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