お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

≪太陽≫の花は真実を照らすか~依頼編:前

お待たせしました!!
リク「弁護士銀×桂。桂は依頼人か助手で。高杉もどこかに。ポイントは銀さんのメガネ。」

ちなみに、めっちゃ長い話になりました(爆死)。若布が無謀にも法廷ミステリに話を膨らませたせいです(爆死)。
今日は、依頼編まで。




 弁護士事務所、なんていうから、もっと大きくておしゃれで新しい建物かと思っていた。新宿という都内の一等地ではあるが、それは裏通りに面した、時代を感じさせる(有体に言えば古い)スナックの二階にあった。
 後ろを振り向く。促され、新八は会談に足をかけた。一段上ってから、古さの割りに階段の隅までがきれいに掃き清められていることに気づく。少しだけ、ほっとした。
 上りきって、入り口に立つ。ブザーに手を伸ばす前に、深呼吸をした。大丈夫、心の中で呟く。ここの人はきっと自分たちを助けてくれる。
 ブザーを押した。気の抜けた音に続いて、「はい。」と涼やかな声がする。ぱたぱたと足音が近づいてきて、ドアが開かれた。
 現れた美人に、新八は息を呑んだ。
 白い肌に筋の通った鼻。切れ長の瞳を縁取るは、長い睫毛と縁の細いメガネ。自分もメガネをかけているが、こんな風にかける人の美しさを際立たせる小道具になるとは思わなかった。首をかしげたその美人の肩から、長い髪がさらりと落ちる。それが光輝いたようにも見えて、新八は心臓をどきまぎさせながら後ずさる。
 と、後ろに立っていた人物にぶつかった。
「よぉ桂。相変わらず入り浸ってんだな。」
「高杉?」
 知り合いだ、とは聞いていたけれど。美人を目の前にしてのぶっきらぼうな物言いに、ここを紹介してくれた男の顔を新八は見上げる。
「その眼鏡、うさんくさく見えるぞ。高杉。」
「テメェに言われたかねぇよ!!」


 桂、という人はこの事務所の主ではなく助手で、本当の主は眠そうな顔で新八の前に現れた。正確には現れようとしたところ、桂にとっ捕まって寝癖のついた頭を梳かされゆるゆるのネクタイを結びなおされ肩の線のくずれた着こなしを整えられてから現れた。
「………つーかさ、なんでおめーがここにいんの。」
「客連れてきてやったんじゃねぇか。依頼人側としても弁護士事務所の敷居は高いらしいからなぁ。付き添ってやったんだよ。」
「そんな親切心起こすようなタチじゃねーくせに。てか、俺が言ってんのは高杉じゃなくておめーだよヅラ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
 茶の入った湯飲みを坂田銀時、高杉晋助、そして新八の前に置きながら桂は答える。
「俺が来なかったらそもそも呼び鈴が鳴らされた程度では起きなかっただろう。それにあんなだらしない格好で応対しようとして。身だしなみはいつも整えろと言っているだろう?」
「つかさ、お前もう弁護士じゃないんだから。依頼人と弁護士の間には海より深い守秘義務があんだから、茶ぁ入れたらとっとと出てけっつの。高杉も。銀さん案件いくつも抱えて忙しいんだから、勝手に客連れて来ねーでくれる?」
「「よく言う。」」
 高杉の低い声と桂の落ち着いた声がきれいに唱和する。
「俺がいなければ依頼人に茶を出すどころか一人でいちご牛乳飲むくせに。真っ当に応対できるようになってから言えそういう台詞は。」
「面倒な民事は全部桂に手伝わせてるくせに、関係ないたぁよく言ったもんだなぁ?」
 二人に見据えられて、銀時は口を尖らせそっぽを向いた。
 本当にこの人で大丈夫なんだろうか。事務所の前にやってきてからの不安がまたもくもくと湧き上がってくる。協会の仕事で忙しいとはいえ、やはり高杉か彼の師にもう一度頼むべきではなかったか。
「まぁ、今回の依頼は確かにテメェがいちゃぁ説明しづらいだろうな。」
 視線で高杉はドアを示した。出てけ、と無言のうちに言われ、桂は席を立つ。
「高杉、昼は食べていくか?」
「これ終わったら戻らなきゃならねぇんでな。」
「そうか。銀時は蕎麦でいいな。」
「勝手に決めんなーーーっ!」
 投げられた茶たくは一早く閉じたドアに当たり、かつんと床に転がる。銀時も高杉も拾おうとはせず、互いを探るように見やる。
「………ヅラくん追い出すなんて、どーゆー風の吹き回し?晋ちゃん。ついでにそのメガネ、オタクっぽくてお似合いよ?」
「晋ちゃん言うな腐れ天パ。テメェこそいつもかけてる奴はどうした。」
「銀さん元々視力いいもーん。」
 忌々しげに高杉は舌打ちをする。本気で苛立っているのが、隣に座っている新八にはありありとわかった。気に障ったら殺されそうで息を潜めていると、「で?」と銀時から声をかけられる。
「え?」
「え? じゃないよ? うちに依頼に来たんでしょ? だったら打ち明けてもらわなきゃ。何、好きな子のリコーダー舐めまわしてたら先生に見つかっちゃった?」
「誰が変態ストーカーゴリラ3Zバージョンですかっ! そんなんじゃありませんよっ!」
「じゃぁあれか、ついに追っかけてたアイドルからストーカー呼ばわりされたか。」
「僕はお通ちゃんのファンとしてストーカー呼ばわりされるようなことしません!! そうじゃなくてっ!!」
 そこで一度言葉を切った。息を整えながら高杉を見ると、興味なさそうな視線を返される。
 新八の姉の依頼なんだから、自分で言え。俺は付き添うだけだ。最初に、そう言われたことを思い出して新八は姿勢を正し、深呼吸をして口を開いた。
「姉の、弁護をしてほしいんです。」
「んー? なに、ついに殺人でも犯しちゃったとか?」
「一応初めて会うっていう設定なんですから知り合いみたいな口聞かないでください。ていうか、そのとおりです。」
「マジでか。」
 咥えていた湯飲みを口から外して、銀時は呟いた。
「うちには借金があります。父が連帯保証人になって作ったものです。それの取立てが毎日厳しくて、弁護士さんにも間に入ってもらったんですけど。被害者は、そのの金融会社の社長です。」
「今日びの弁護士は依頼人を借金から守ってくれる真っ当な奴なんざいねーぞ? てか、すでに家についてる弁護士がいんなら俺に依頼する必要ねーじゃん?」
「その人は、姉が有罪だっていう前提で話進めるっていうんです。そうでなかったら弁護のしようがないって。」
 銀時は湯飲みを置いて口を開く。
「無罪だってゆーわけ?」
「確かに殴ったって言いました。姉も、それは認めてます。でも殺してないって。事務所から逃げたときには社長も、一緒にいて殴った人も生きてたって。」
「逃げた?」
「姉は、社長から借金返済について話があると呼び出されたそうなんです。そこで、その、」
 息を吐く。言葉をつむぐことをためらうが、銀髪の奥から自分を見つめる瞳に意を決した。
「売春を、強要されそうになったって。」
 赤茶色の目が見開かれた。体をわずかに引いた銀時に、今度は高杉が口を開く。
「ただ強姦に抵抗してのことなら、罪状は殺人じゃなくて過剰防衛になる。だが、警察は殺人の名目で志村妙を拘束した。その理由は、俺もまだ知らねぇがな。」
「確かに姉は、暴力的ですし襲われたら十倍返しするような人です! でも、罪を犯したのにやってないなんてことは絶対言いません! きっと、無実なんですっ!」
 新八は立ち上がり、床に手を着いて頭を下げた。
「お願いです、姉の無実を証明してくださいっ!」
「あ、いや、その。」
 うろたえたように銀時は声を出し、高杉を睨みつけた。
「受けるだろ?」
 口端を持ち上げて、高杉はささやく。
「おめー、」
「わざわざ桂を席から外してやったんだ。ここまでお膳立てしてやって、感謝の一つも欲しいもんだなぁ?」
 だから受けろ。
 そう言われ、それはもう渋々厭々という表情を隠さずに、銀時はうなづいた。



                            ~続く~
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by wakame81 | 2008-10-01 22:32 | 小説。  

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