お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

共犯者たち:前

リク小説「松陽×青年桂。桂さんを思いっきりかわいがる先生。ちょめ希望」
小太郎十六~十八歳くらい。すいません、当時は十五で元服=成人とゆーことで(爆)





「せんせーい、祭りのことなんだけ………うげ。」
 外から帰ってきた銀時は、師とともに部屋にいた旅装束の人物を見て呻き声をあげた。
「何だ貴様、人の顔を見て妙な声など上げおって。」
「うっわー幻覚が幻聴しゃべってるよ。俺ってばなんか病気? え、やばい?」
「何を訳の判らぬことを言っている。どうした、ついに髪だけでなく内部までぱーになったか? 病ならうちの実家へ連れてってやらんこともないぞ。」
「うっわうぜ。てゆーかこんなアホで偉そうな幻覚見たことねーよ。」
「幻覚なんぞ、しょっちゅう見てたまるか。それとも銀時、頻繁に見ているのか? だったら本当に」
「てゆーかお前は黙れぇぇぇっ!」
 ずかずかと室内に入り込み、その頭をはたく。
「痛いではないか銀時。」
「あったりまえだろーがよ、痛いように殴ったんだから。」
「別に俺は、眠ってもいないし幻覚を見てもいないぞ。見たのは貴様だろう、だったら貴様の正気を取り戻すために貴様自身を殴るべきではないか。」
「あーもーうっせぇっ! もう一発いっとくか? あぁ?」
 その様子を見て、松陽はくすくすと忍び笑いをもらした。
「先生?」
「なんだよもー。笑いごっちゃねぇよー。」
「いえ、貴方達がこうしているのを見ると、つい、ね。」
 穏やかに、目を細める。
 ここにいるのは、松陽の弟子の中でも、己の後継として相応しいと見定めた子達(のうち二人)。
 鬼子と言われた子は健やかに育ち、やる気なさそうに見えながらも弱いものを守ろうとする優しさと強さを備え。
 一家の当主としての責任を早くから背負った子はその才能を明らかにし、意思の強い、真っ直ぐな青年へと育った。
「ここに晋助がいたら、久しぶりに問題児三人がそろうところでしたのに。」
「えーうぜぇよ晋ちゃんまでいたら。てか問題児って何、俺らのことそんな風に見てたの?」
「晋助の帰省許可は、残念ながら今回はおりなかったので。」
 小太郎はそう言い、改めて松陽へと向き、畳に手をついた。
「ご無沙汰しておりました、松陽先生。桂小太郎、只今江戸より戻りました。」


 小太郎、晋助の二人が、剣豪に見止められ江戸へと留学したのは一昨年のこと。手紙は逐一松陽や銀時、そして家の者へと送られていたが、本人の帰省は去年の春以来、これが二度目になる。
「背が伸びましたねぇ、小太郎。」
 松陽はいそいそと小刀を持ってきた。小太郎に、柱を背にして立つよう言う。
「おや、銀時を越しましたね。」
「本当ですか先生っ。」
「ちょっ、待てっ! しっぽのぶんまで計ってるだろっ! 髪ほどけ、銀さんはそんなズル認めませんよーーーっ!」
 髪をほどいて計りなおしてみると、五月に計った銀時の記録より僅かに下回っていた。
「へっへーん。そう簡単に抜かされてたまるかっての。」
「………ずるいぞ銀時。お前とて、そのふわふわっ毛の分まで足しているだろうが。」
「うるせーーーっ! それ以外は天パの業苦を味わってんだよこっちはっ。これくらいの旨みいいだろーーーっ!」
「ふん。それでも、去年よりは差が縮まったのだからな。いずれ越してみせるぞ、覚悟しておけ。」
「未来永劫抜かされねーよっ。おめーにも晋助にもっ。」
「晋助はどうですか? 小太郎、君と比べて。」
 つけた傷の側に「小太郎」と刻み終え、松陽は小太郎を振り返る。
「彼奴は去年より縮みました。」
「おい、ジジィにもなってないのに縮むわけねーだろ。」
「だが事実だぞ? 目線が少し下になっておった。」
「それ、伸び幅がお前より小さいだけじゃねぇ?」
 銀時は肩をすくめ、大きく息を吐いた。
「ま、そんならあいつに抜かされる心配はねーな。よかったよかった、晋ちゃんが背ぇ高くなっちまったら、あいつのアイデンティティなくなっちまうもんなー。なーヅラ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
 むっと口を尖らせる。その顔が、ただ銀時に好かないあだ名で呼ばれただけでなく不機嫌に見える。
「どうしましたか? 小太郎。晋助に何か?」
 小太郎は、バツが悪そうに松陽を見た。頭を傾けて松陽が笑ってみせると、小さくため息をついて口を開く。
「………筋力は晋助に負けました。」
「おやおや。」
「俺だって、鍛錬はがんばってるのに。」
 小太郎は拳をぎゅっと握り締める。松陽はくすりと笑って、小刀を鞘に収めた。
「筋肉のつき具合は、人によって様々ですからね。それに、小太郎の努力は、筋力だけではなく他の所に表れているでしょう?」
 こちらをじっと見つめる小太郎に笑いながら、銀時の方へと振り返る。
「さぁ。今度はその努力を見せてもらいましょう。」


 神道無念流・錬兵館の塾頭を努めるだけのことはあった。留学前の小太郎に足りなかった「体」が補われ、バランスのよい剣になっている。小太郎や晋助と同じように松陽に師事しながらも独自の剣術を身につけ、型の読めない剣で一歩抜きん出ていた銀時を、少しずつ追い詰めている。
「だーーーーーっ、このっ。」
「やぁぁぁぁぁっ!」
 銀時の下段からの突き上げを、小太郎は弾いた。道場内の空気が震える。銀時が一瞬引くのに合わせ、その胴を打ち据えた。
「一本!」
 上がる号と同時に、銀時は尻をついた。袖口で汗をぬぐい、大の字になって寝っ転がる。
「あ”---、疲れたーーーっ!」
「こら銀時、立って礼をしないか。」
「糖分切れで立てまっせーん。」
「そうそう、品川殿から饅頭を頂いてるのでした。終わったらお茶にしましょうか。」
「マジでっ?」
 がばっと起き上がる銀時に、松陽はにっこりと笑ってみせる。
「銀時。『終わったら』ですよ?」
「………へーへー。」
 面倒くさそうに頭を掻きながら、銀時は小太郎の前へと出た。号令に合わせて礼をする。
「つーかお前、馬鹿力になってねぇ? なんだよあの打ち込み。ヅラのくせに生意気ー。」
「ヅラじゃない、桂だ。先輩たちにはもっと打ち込みの鋭いものがいるぞ。」
「マジでか。てかお前さ、そんな奴ら差し置いて塾頭やってんの?」
「いくら強い打ち込みだとしても、当たらなければ一本は取れぬからな。」
「………ある意味卑怯だよね、お前も晋ちゃんも。」
「卑怯とはなんだ。俺は努力してこの剣を身につけたのだぞ。卑怯というならもう一勝負、」
「やでーっす。もうおやつの時間でーーーっす。」
「あ、こらっ!」
 少し前までばてていたのが信じられない素早さで、銀時は竹刀を放り投げるように片付け道場を飛び出した。
「全く彼奴はっ!」
「変わりませんねぇ。」
「本当ですっ。銀時こそたくさんの剣豪たちに出会って、侍の何たるかを学ばねばっ。」
「君もですよ、小太郎。」
 そう言うと、きょとんとした目で小太郎は松陽を振り返る。
「その真っ直ぐさは本当に変わりませんね。」
 流れる汗を拭くことも忘れ師を見つめる、その琥珀の眼差し。
「汗を流して早くお出でなさい。そば饅頭、銀時に全部食べられてしまいますよ。」
「あ、はい!」
 一瞬戸惑ったようだったが小太郎は頷いた。適当に片付けられた銀時のものとともに、自分の竹刀を片付ける。その後姿をしばし見つめてから、松陽は茶を入れるために道場を後にした。



                                  ~続く~
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by wakame81 | 2008-07-23 00:08 | 小説。  

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