お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

Signal is all Red:3

全部の作品に思うことですが、明らかにリク通りに書けてない(爆)。





 庭園の外れに、小さな物置がある。普段、庭園の手入れに使うほうきや園庭ばさみがしまわれているそこは、今日は整理され、別のモノがしまわれている。
 桂の行き先を、寸前まで一緒にいたそよ姫や神楽も知らなかった。ただ、それまでは、今日のこれからの予定について話していたという。
 これから。
 雛祭りのもう一つの起源、上巳の節句にちなんで、厄落としの流し雛が行われる。
 その、流し雛に使う雛人形をしまったこの物置で、山崎は桂を見つけた。
「………何やってるんだ………。」
 物置の扉を開け、中を覗き込んでいた桂に、山崎は問いかけた。桂の足下には、倒れ伏した女中が一人。
「あんた、何やってるんだっ。」
 桂は振り向く。
 その顔は、みじんも動揺が見られない。
「存外、早かったな。」
「何やってるんだ、答えろっ。」
 叫び、山崎はピストルを構えた。桂はけれど、少しだけ眉をひそめただけで、恐れる様子もない。
「さすが、河上万斉を退けただけある。過小評価をしているつもりはなかったが、これは俺の読みが甘かったな。」
 桂は、気づいている。
 ピストルに弾は入っていない。大奥、将軍の御座所で、武器の携帯は認められない。たとえそれが、将軍を護る真選組といえど。
「丁度良かった。それを貸してもらおう。」
「はぁっ?」
 そう言って手を差し出した桂に、山崎は面食らった。
「何言ってるんだっ? 武器を、テロリストに渡すわけないだろうっ?」
「弾のこもってない銃など、鈍器にしか使えんよ。だが、発火剤としては役に立つ。」
「何をっ?」
「生憎俺も、今日は役に立ちそうな火薬の類を持ってきてはおらんのだ。ドライバーの類もな。だから、分解できなくて困っていたところだ。」
「一体、何の話だっ。」
「だから、爆弾だ。」
 言って桂は、半身になった。そうすると、山崎にも物置の中が覗けるようになる。
 中には、知らされていたとおりに、大きなザルに乗った流し雛がたくさん。
「爆弾って………。」
「これ全部だ。」
「なっ?」
 山崎は息を飲む。そんなのは聞いていない。
 いや、ということは。
「テロかっ?」
「そういうことに、なろうな。お飾りとはいえ、茂茂公や妹姫は幕府の、この国の武士の頂点。それが天人に膝を折る形など許せんという者も、まだ多い。」
 それは知っている。お二人を狙ったテロが、かつてなかったワケではない。
 けれど、そのテロのための爆弾が、こうして桂の前にあって。
 桂がそれに、火をつけようと………爆破しようとしている。
 それは、つまり。
「あんたが、これを………?」
「とにかく、不用意に動かせばどうなるか判らんからな。ここで処理するのが手っ取り早いのだが。………山崎?」
 未だ銃を向ける山崎に、桂は首をかしげた。
「あんたがこれを、準備したのか?」
「は? 何を言っている。」
「だって、これに火をつけて爆破しようとしてるじゃないかっ。」
 きょとんと山崎を見た後、桂は「あぁ。」と手をぽんと打った。
「俺はテロを止めようとだな。」
「だったら爆破させる必要なんてないじゃないかっ。俺達に任せればいいだろっ? それができないで、自分で爆破するってどうしてっ。」
「山崎、落ち着け。」
 桂が一歩前に出る。
 倒れていた女に、背を向ける。
「爆弾の種類が判らぬ以上、分解も運搬もできぬから、」
「桂小太郎ぉぉぉっ。」
 それまで倒れていた女が、急に立ち上がった。背を向けていた桂にしがみつき、引き倒す。そして懐から出たのは、黒くて丸い。
「邪魔するなら、せめてアンタの首だけでもっ。」
「桂っ?」
「伏せろ山崎っ。」
 桂が叫ぶ。
 女が爆弾を奥へと放り投げる。それを抑えようとした桂の手は間に合わなかった。
 女の上に桂が覆い被さる。山崎に見えたのはそこまでだった。
 轟音を立てて、物置は爆発した。
 桂と女と、一緒に。


「桂ぁぁぁっっっ?」
 吹き飛ばされ、我に返った山崎は、崩れた物置に駆け寄った。茅葺きの屋根の破片や、壁だった板や、柱だったものをどかそうと手をかける。
 桂を、掘り起こさなきゃいけない。
 その一心で、瓦礫をどかそうとする。
 不意にその瓦礫は、自分から持ち上がった。
「ええっ?」
「ふぅ。」
 左手で女を抱えた桂が、板の下から顔を出す。
「山崎、ちょっと手伝え。」
「あ、うん。」
 桂の上の板材をどかし、引っ張り出した。桂が庇った女は、今度こそ気を失ったらしくぐったりしている。
「………こいつが、テロの犯人?」
「此奴だけではないぞ。ここまで大量の爆弾を運び込んだのだから、背後にもっと大きな者が潜んでいる。」
 煤だらけの顔で言う桂を、山崎はまじまじと見つめた。
「幕府の内部までは、さすがの俺も手が回らん。お飾りといえど、将軍暗殺ともなればこの国のパワーバランスが乱れる。」
「怪我は………。」
「ん? あぁ、大したことはない。防弾振り袖だからな。」
 自慢げにそう言われ、山崎はため息をついた。
 本当に、この人につきあうのは疲れる。ていうか、正直心臓が保たない。
「おおーーーーい、どうしたっ?」
「何だこりゃぁぁぁぁぁっ?」
 そこへ、続々と真選組が駆け寄ってきた。そよ姫や神楽やお妙、「すまいる」の女の子達も共にだ。
 壊れた物置と煤だらけの桂と気を失った女を見て、土方が山崎に問いかける。
「山崎、これは一体どういうこったっ?」
「あ、えーと、」
「流し雛のことを姫様にお聞きしたから、興味が湧いて先に見に来たんです。そしたら、この女の人が怖い顔で。」
 泣きそうな声と顔で、桂が割って入った。
 思わず桂を見る山崎に目を合わせ、「ごまかしてくれ。」とささやく。
「あ、その、雛人形がテロで、この女が爆弾で、そんでもってえーっと。」
「意味わかんねーよっ。」
 そう怒鳴ってから、土方は桂へと向き直った。
「アンタ、巻き込まれたのか。怪我は?」
「いえ、この人が護ってくれましたから。」
 そうにっこりと微笑む桂に、山崎は心臓が止まりそうになった。
「そうか、でかした山崎っ! 俺はお前が本当はできる子だと思っていたよっ。」
「近藤さん、褒めてる場合じゃねーよ。えぇとアンタ、一応手当をさせてくれ。」
「いいえ、大丈夫ですから。」
 差し出された土方の手を取らず、桂は立ち上がった。駆け寄ろうとした神楽を、視線で制する。
 それから、山崎の口からたどたどしく経緯が説明されたり、実行犯の女を改めて逮捕したり、吹っ飛んだ物置を掘り起こして証拠の爆弾を押収したりしているうちに、桂の姿はそこから消えていた。
 それに気づいた山崎は、ぼんやりと庭園を見渡す。
 別に、桂を探そうというつもりはなかったのだが。
「探したって、ムダだろぃ。」
 かけられた沖田の言葉に、思わず振り向く。
「相変わらず、逃げ足の早い奴だなぁ。二つ名はダテじゃねぇってことかぃ。」
「沖田隊長………。」
 にっと、口端を持ち上げた沖田に、山崎は息を飲む。
「沖田隊長も、気づいてたんですか。」
「俺は、お前が気づいてあの態度ってのに驚いたけどなぁ。」
 身体が震えた。
 そうだ。沖田はいつから気づいていた?
 山崎が気づいてたことに、いつから? 気づいて、言わなかったことを、その理由を、どこまで知っている?
 ゆっくりと、沖田は近づく。
 山崎のすぐ前に立ち、その顔を覗き込む。
「声が、さ。」
「はい?」
「こだまして、消えねーんだ。」
 山崎は、首をかしげた。眼を細めて、再び沖田は口を開く。
「お前と桂の、屯所でのやりとりだよ。」
「え………。」
「『日本の夜明けを見るためだ』って、お前それ、いつ聞いた?」
 山崎はうろたえた。言われた状況なんて、それこそ白状できない。
 けれどもっとうろたえたのは、続けられた言葉。
「俺がそれを聞くのに、どんだけ苦労したって思ってんだ?」
「………はい?」
「渡さねーよ。」
 目元も。
 口元も歪ませて、沖田は告げた。
「お前にも、近藤さんにも、土方さんにもやらねーよ。」
「沖田隊長………?」
「アレは、俺の獲物だからなぁ。」


 そんなことを告げられて、山崎にどうしようと言うのだろう。
 今更言われても、山崎にはどうすることもできない。
 だって。
(俺だって、自覚しちゃいましたから。)


 警告音が、鳴り響く。
 それが間に合ったのかそれとも遅すぎたのか。山崎にも判らない。



                    ~FIn~

  
[PR]

by wakame81 | 2008-03-09 22:58 | 小説。  

<< リク終了~~~。 Signal is all R... >>