お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

散らばもろとも~Ver TroubleShooter

「侘助」の別verで考えた話。拍手にしようかと思いましたが、小ネタが育ってメインの沖桂より長くなったので、正式にこっちにしました(爆)。

万事屋ver。紅桜以降、雪祭り前あたりの話です。


拍手は、ラピュタネタのみ更新してます。






「銀ちゃんのせいアルよ。『ワタシを食べて(はぁと)』って誘ってるのに、変に計算しようとするから据え膳を逃すアル。」
「バッカお前、あんなん誘ってるうちに入らねーっつの。そんなこと言ってアレよ?いざ頂こうとした時に、『そんなつもりじゃなかったのに』なんて泣かれてみろよ、悪ぃのはこっちよ?」
「男だったら会話とちゅーのテクでめろめろにしてみせろヨ、本気のイヤか、好きのうちなのか、空気読めヨ。」
「………あのー。」
 前を歩く銀時と、定春の上の神楽の会話を聞いていた新八は、いたたまれなさのあまり口を挟んだ。
「買いそびれたおでんセットの話ですよね?」
「たりめーだろ。」
「何考えてたアルか、このキモ眼鏡。」
「わざと誤解を煽るような話し方してたのは二人でしょっ?」
 そこで「「「ぐ~~~~~っ」」」と腹の虫が三匹。
 二割引のシールが貼られたおでんセットを、さらに時間が過ぎて5割引になるまで待ったあげく、その前に売り切れ結局夕食を買い逃したショックは大きい。三人と一匹は、ため息と共にうなだれる。
 と。
「あ。ヅラアル。」
 神楽の声に、銀時と新八は顔を上げた。道路を挟んだ公園の脇道に、見慣れた長髪と白くて丸い物体が見える。
 夕飯ゲーーーーーーーーット。
 同時にその言葉が閃いた三人は、無言で目配せをしあう。そして。
「ヅラー、何してるアルかー?」
「こんにちわ桂さん、奇遇ですね。」
 まず、子供二人が道路を渡り、桂の側へと寄った。
「リーダー、新八君も息災か。」
『久しぶりです。』
 桂が振り向くのにあわせて、黒く長い髪がふわりと宙を舞った。以前とほぼ変わらない長さ。伸びる早さに、新八は目を見張った。
「お腹が空いて死にそうアルー。」
 神楽は早速たかりにかかった。桃色の頭を撫でながら、桂は後から来た銀時を睨みつける。
「そうか、それはかわいそうに。………銀時、貴様子供達を飢えさせてどうする。」
「仕方ねーだろ仕事来ねーんだから。てかこいつを毎日満腹にさせてるのは、米がいくらあってもムリだっての。」
「貴様の勤労意欲の問題ではないのか? 本気で働こうと思えば、いくらでも働き口はあるだろうに。どんな仕事にも、それぞれ苦労はあるのだ。きついからと言ってえり好みするから世にニートが増える。どうだ銀時、日本の未来のために働かぬか?」
「だからなんでいつの間にか攘夷のお誘いになるんだよ。それより食いモンよこせや。」
 ばしっと銀時が桂の頭をはたく。「痛いではないか」と非難がましく頭を押さえる桂の腰に、定春から降りた神楽が抱きついた。
「ヅラー。私お腹が空いて力が出ないアルよ。これじゃ明日依頼がきても、まともに働けないアル。」
「リーダー。」
 困ったように神楽を見やって、新八へ視線を向けて、そして銀時にふりかえって。
 桂はふっと眉尻を下げる。
「………うちには今そばしかないが。それでもよいか?」
「充分アルっ!」
「ありがとうございます、桂さんっ。」
「いやー悪ぃなヅラ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
「ヅラ、これヅラじゃないアルか? だってこの前短かったアルよ。」
「痛い痛い痛いリーダーヅラじゃない。」
「ダメだよ神楽ちゃん、引っ張っても取れないからっ。」
 慌てて神楽を引き離すと、『早く止めんかいグズ』のプラカードが目に入った。
「何で怒られるの僕?」
「どうした、新八君。」
 死角になってそのプラカードに気づかなかった桂が尋ねる。その後ろからとてつもないプレッシャーを感じて、新八は慌てて首を振った。
「おーい、おめーら遊んでないでとっとと行くぞー。」
「行くって、俺の家だろう。」
 数穂先に進んでいた銀時を追って、新八達も歩き出す。と、ふと神楽が桂の手の中の紅に目を留めた。
「ヅラ、それ何アルか?」
「あぁ、椿だ。」
 茎も葉もない、萼と花だけのそれ。ふと新八は桂の立っていた場所をふりかえり、その生け垣が椿の木だということに気がつく。
「むしったアルか? 悪いヤツアル、先生に言っちゃうぞー。」
「リーダー、むしったのではない。椿は花弁を散らすのではなく、萼ごと落ちる花なのだ。」
「そうアルか?」
「うむ。この花は落ちたばかりなのかきれいなので、つい見とれていてな。」
「え、でも。」
 落ちる首をイメージさせるから縁起が悪いんじゃ、と言おうとした新八は、慌てて言葉を飲み込んだ。
 攘夷志士達がどのような最期を遂げたのか、話に聞かないわけではない。それを桂に言うのは、不躾に思えた。
「世間ではどう言おうが、俺には好きな花なのでな。」
 言いよどんだ言葉を読み取ったのだろう。桂はそれでも咎めることなく、優しい眼で新八に言う。
「故郷に多い花なのだよ。」
「そうなんですか。」
「じゃぁヅラのうちにはこれがいっぱい落ちてるアルか?」
「この季節にはそうだな。初めて見たときには誰の悪戯かと思ったが。」
 縁起が悪いとすり込まれていた新八には、きれいというよりビミョーな風景が浮かんだ。その感想が桂に悪いと思い、慌てて頭の中から追い出して。
 桂の眼差しが、神楽も新八も通り越して遠いモノになっていることに気がつく。
「あー、ヅラがホームベースアルー。」
「神楽ちゃん。」
 ひょっとしてホームシックのことだろうか。
「………そうだな。懐かしく、そして。」
 手の中の紅へと、視線を落とす。

「羨ましい。」

 げしっ。
 先を歩いていたはずの銀時の跳び蹴りが、見事に桂に命中した。吹っ飛ぶ桂と急いで後を追うエリザベスを見て、新八が叫ぶ。
「ちょっ銀さんっ? 何いきなり蹴り入れてんですかぁぁぁっ!」
「ドメスティックヴァイオレンスアル。暴力振るえば何でも手に入るってゆーのは、ソレなしじゃ自分に自信が持てない男の不安の表れネ。」
「誰が自分に自信ないマダオですか。それとアホな妄想してんじゃねーこのバカヅラ。」
 謝るでもなく偉そうに仁王立ちして銀時は言う。
「花と人とは違げぇんだよ。何が一緒に散るのが羨ましいだ、寝言は寝て言えっての。」
 死んだ魚のような眼が据わっている。本気で怒っていることに、新八は気がつく。
 そして同時に。
「………ヅラじゃない、桂だ。まったく貴様は、自然の美しいありように理想を重ね、こうありたいと望む心も持ち合わせんのか。」
「うっせー。自然なんてのはそこにあって、酒と糖分が美味い理由になってりゃそれでいーんだよ。」

 彼らが先日訣別した、もう一人の同志。
 桂とその男の会話を、思い出した。



                       ~Fin~

 
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by wakame81 | 2008-02-03 02:15 | 小説。  

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