お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

~Melody of the Dusk~暮れる十二夜と邪視の御使い~・2

六本木の王の仮名は、若布の尊敬して止まない天野こずえ作「浪漫倶楽部」の主人公から拝借しました。………いい話なんですよ「浪漫倶楽部」。この方の別作品、「ARIA」もいい話ですよ!!





 警察寮とある部屋にて。
「お願いでござる、一生のお願いでござる原田氏、こっから出してくだされーーーっ!」
「だめです、31日夕方になるまでここから出すなと、副長自らの命令ですっ。」
「副長僕ぅぅぅっ!!」
「今のアンタトッシーであって、土方副長じゃありませんっ。そういうつもりで扱えと、厳命されましたっ。」
「頼むでござる、早くしないと、ララちゃんのえろえろ本新刊とか、春菜ちゃんの触手ぷれい本とか、みんな売り切れちゃうでござるよぉぉ、エロコスさんたちが拙者を待ってるんでござるよぉぉぉっ!」
「エロ目当てかいぃぃぃっ!!」


「………てなわけでさぁ。」
 ここは移動中のパトカー。
 万事屋に依頼があるとのことで送ってもらうことになった道中で、「副長不在」の理由を聞いた新八は、沖田に尋ねたことを後悔した。助手席の伊東を見やれば、おかしそうに体を震わせている。
「………本当のところ、どうなんですか?」
「さぁ? 想像にお任せするよ。」
 いったい何なんだ。
 不思議というか怪しく思うが、折りよく万事屋についた。お客様に先を譲り、階段を上がる。
「失礼する。」
「ジャマするぜぃ。」
「ただいまー、お客連れてきましたよー。………って。」
 出迎えたのは、沖田を見て思いっきり顔をしかめた神楽。
「神楽ちゃん、ギンさんは?」
「珍しく新八が客引きしたってゆーから期待したのに、S王子かよ、つっかえねーナこの駄眼鏡。」
「何でそこでののしられなきゃなんないのっ?」
「へー、せっかく手土産持ってきてやったのに、そういうこと言うかいチャイナぁ。ま、お前が後先考えないバカなんは、とっくに知ってるけどなぁ。」
「土産?」
 猫のように威嚇しながらも尋ねる神楽に、沖田は懐から小さい箱を取り出した。
「酢昆布っ!」
「ほーら取ってこーい。」
 玄関から外へと放り投げると、犬よろしく神楽は飛び出していく。
「さ、入りやしょうぜぃ。」
「君たちはいつもあんな事をしているのか………。」
 神楽が行ってしまったので、新八が二人を応接室へと案内する。
 部屋に入ると。
「あ、来ちまった。じゃ、また一昨日な。」
『銀、それは一昨日きやが』がちゃん。
 なんか強引に電話を切って、ギンタがこっちを向き直る。
「ギンさん、今の電話って………。」
「んー? 別に、布団の押し売りだから気にすんなって。」
 気にするなと言われても。
 あとで謝らなきゃいけないなーと思いながら、新八は二人に席を勧め、自分は台所に向かった。
「何、今日はどったの? 総一郎くん。それと、そっちは?」
「旦那、総悟でさぁ。」
「伊東鴨太郎という。真選組の参謀をしている。以後、よろしく。」
「鴨の助くんね。で?」
「鴨太郎だ。」
 まーた人の名前で遊んでるよ。初対面の人に、いいんだろうか。
 ため息をついて、新八は蒸らしたお茶を、湯飲みに注ぐ。
 と。
「くぉらぁぁぁこのボケナスがぁぁぁっ!!」
 破壊音とともに、神楽の声が響いた。あわてて新八は、応接室へと戻る。
「か、神楽ちゃんっ?」
「何が土産アルか、箱からっぽじゃないカっ! しかも開けたら中から輪ゴム飛んできてパチーンってぶつかったアルよ、痛かったアルよ、どうしてくれるネっ!!」
 客用ソファが見事に真っ二つに割れている。平然と避難していた沖田は、ククっと笑った。
「ものの見事に引っかかってやがんなぁ。おっまえ本当にバカだねぃ。」
「何がバカアルか、バカって言ったほうがバカアルよっ! ばーかばーかっ!」
「お前は二回言ったから、バカも二倍だなぁばーかばーか。」
「お前だって全部で四回言ったアル、四倍ばーかばーかっ!」
「………てゆーか君たち、遊んでる場合じゃないでしょ。空気読みなさーい。鴨の助くんも困ってるじゃないの。」
「僕の名前は鴨太郎だ。染の助染五郎のような呼び方はやめてくれたまえ。」
「あんたら全員話進めろぉぉぉぉぉぉっ!!」
 阿鼻叫喚と化した万事屋に、新八の怒声が鳴り響いた。


 とある妖魔達とコンタクトを取りたい。
 それが伊東達の依頼だったが、その相手を聞いてギンタは飲んでたホットイチゴ牛乳を吹き出した。
「って、≪孔雀姫≫に六本木の王!? 新宿を牛耳ってる妖魔のボスと、吸血鬼の長になんの用だよおめーらっ?」
「歌舞伎町の顔役でもある君たちなら、繋ぎを取ることは可能だろう?」
「てゆーか待て待て待て。お前ら正気? 真選組の参謀さんとやらと、天才ルーキー坊やが派閥のトップに会うつもりかよ、マジで?」
「何か、問題あるんですか?」
 テーブルに零れたイチゴ牛乳を拭きながら、新八は尋ねる。
「大ありよ大あり。妖魔狩りの公的機関なんだぞ真選組は。絶対警戒ってーかそもそも会ってくれるわけないだろー。」
「そこを頼んでるんでさぁ。旦那の顔の広さで、なんとか頼みますよ。」
「事は重要なんだ、是非とも彼らとコンタクトを取らねばならない。」
 神楽とにらめっこをしながらの沖田はともかく、まじめな顔で伊東は頼む。が、ギンタは残ったイチゴ牛乳を、最後の一滴まですすることに余念がない。
「頼む、坂田君。」
「その重要な事って、なに。」
 伊東は一瞬ひるんだ。マグカップを置いて、ギンタはにやりと笑う。
「さっき、御苑で変死体が発見されたってな。それか?」
「な………っ。」
 一瞬、伊東は腰を浮かしかけた。開きかけた口をすぐに閉じ、「何のことかね?」と眼鏡を押し上げる。が、遅かった。
「それ絡み、だろ?」
「さすが旦那、情報が早ぇや。」
 ひゅーっと沖田が口笛を吹く。伊東はため息をついて、頷いた。
「変死体って、何があったんですか?」
 恐る恐る、新八は尋ねる。ギンタは頭を掻きながら、伊東に視線を向けた。
「………18時35分、御苑の遊歩道の脇で、一人の死体が発見された。歯の治療跡や本人の持ち物などから、代々木公園のホームレスの一人と思われる。年齢は47歳。だが、死体は、少なくとも80は超えた老人のように、痩せて精気を失っていた。」
「え………?」
 新八は息を飲む。

「典型的な、吸精鬼の犠牲者だ。」

 沖田を睨んでいた神楽が、視線を伊東へと移した。沖田はソファへともたれこむ。ギンタは頭をわしわしと掻きむしり。
 新八は、喉がひりつくのを感じた。
「吸精鬼や吸血鬼は、ホームレスやぷち家出を繰り返す若者達をターゲットに選ぶことが多い。いなくなっても、すぐには発覚しないからだ。奴らのテリトリーは六本木、狩り場は渋谷や原宿。それが何故、御苑に死体を放置するか………」
 伊東の声は、だんだん遠くなっていく。
(吸精鬼?)
(変死体?)
(ターゲット、なんて言った?)
 新八の中で、不安が大きくなる。それは、高ちんがいなくなったと聞かされた時の焦燥と結びついた。
「ギンさんっ! 伊東さんっ!」
 大声と共に立ち上がる。四対の視線が、一斉に新八へと向けられた。
「お願いです、僕もこの調査に関わらせてくださいっ!」


 最初、伊東は新八の申し出に反対した。無理もない、歌舞伎町の顔役の万事屋とはいえ、新八はそこのバイトで、まだ高校生なのだから。
 けれど、その≪眼≫の能力を知る沖田が「別にいいんじゃねぇですかぃ?」とあっさりと賛成に回り、そしてギンタも、依頼を受ける条件の一つとして、新八の同行を求めたことで、伊東も最後には折れた。
『いくら顔役ったって、派閥のトップに真選組をおいそれと紹介できねーよ。下手したらこっちが裏切り行為だって思われちまうの。だから、万事屋として、仲介者を出す。そーゆーことならお前も文句ないだろ?』
「………まんまと、丸め込まれた気がするな。」
 ぽつりと、伊東はこぼすように言った。
「ま、旦那ですからねぃ。」
 沖田はのんびりと答える。
 そのやりとりを、新八は半分も聞いていなかった。
 翌27日。
 新八の事情を知ったからだろうか、ギンタの仕事は滅多にないほど早く、三人は六本木の王へとコンタクトを取ることができた。正しくは、その代理人と。
 通された応接室は、万事屋と比べると、天と地ほどの差があった。
 躓きそうなほどふかふかの絨毯。光沢のあるテーブル。ソファの座り心地も、緊張してなければ眠ってしまうほど心地よかった。壁には、新八も美術の教科書で見た絵画が飾られている。
 薄い白磁のティーカップも、一つ幾らぐらいするのだろう。もし割ってしまったら、弁償などできるはずもない。そう思うと、注がれた紅茶を味わう気も起きない。
 何より、これから会うのは、吸血鬼。それも、六本木に巨大な地盤を築いた王から代理を委任されるほどの存在。
「だいたい、こんなことしてねーでとっとと捕まえりゃいい訳じゃねぇですか? こいつ等が怪しいんでしょう?」
「彼らが犯人と、決まったわけではないぞ。」
「でも、こいつ等人を襲って血をすするような奴らなんでしょ? あの事件の犯人でなくても、ふん縛る理由にはなるでしょーが。」
「彼らの吸血行動は、生命維持の為だ。それに、人を襲うとはいえ、普通は死に至るほどの血を奪うわけではない。中には、≪贄≫と呼ばれる、情をかわした特定の人間からしか血液を得ない個体もあるという。それに、彼らは他の妖魔の横暴を、牽制している存在でもあるのだ。いわば、必要悪と言ったところだな。」
 忌々しいことに。
 低い呟きで、伊東は説明を締めくくった。沖田はむすっとした顔で、舌打ちをする。
「必要悪っつったって、所詮人を襲う妖魔じゃねぇかぃ。」
「そうなのだがな。終戦後から入り込んで地盤を手に入れられてしまっては、容易く排除することも難しいのだよ。≪出雲≫が間に入ったために、人の世を脅かさないと誓約させているんだ、せいぜい利用させてもらうとしよう。」
 そんなことを小声とはいえ話し合える、伊東と沖田が信じられない。
(機嫌損ねたら、どうするつもりなんだろう………?)
 沖田が強いことは知っている。伊東も、真選組に籍を置くからには、それなりに退魔能力を持つのだろう。
 けれど自分は、精神感応能力があるだけで、襲われたら身を守ることもできないのだ。
(そこんとこ、考えてくれてるのかなー………。)
「てゆーか、なんか癖があって変な味だなぁ。」
「アールグレイか。好みが別れるから、初対面の客に出すには少々不向きではないだろうか?」
(全然、考えてないっ!)
 不敵というか不躾すぎる二人に、つい見かねて口を開こうとしたとき。

 ドアが、ゆっくりと開いた。

 沖田の眼光が鋭くなる。
 伊東は黙って、眼鏡を指で押し上げた。
 新八が息を飲む、その中で。

「どうも~お待たせしましたぁ。」
 現れたのは、白装束のやせこけた頬の女。しゃべるたびに無意味に表情が深くなり、彫りが無駄に深くなる。
「私、王の代理でやってまいりましたぁ。よろしくお願いしますぅ~。」
「………いや、顔を怖くするのは止めていただきたい。」
 冷静に伊東が突っ込む。いや、ツッコミどころはそこじゃなくて。
「一応原作では≪蚊みたいな天人≫としか説明ないんで、便宜上カトリさんと呼んでください~~~。」
「下の名前はセンコウかぁぁぁっ!?」
 思わず新八は叫んだ。

 ていうか、このノリで本当に、事件は解決するのか?




                                  ~続く~
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by wakame81 | 2007-12-28 01:27 | 小説:ギンタマン  

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