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お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

朝の攻防

悲しいかもしれないお知らせ。
今週木曜は、夜勤ですorz。デスマーチの影響を受けましたので、アニメ感想は金曜深夜になります。


そんなデスマーチの間をぬって、なんとか投稿できました。

沖田&桂さん。沖田いないけど、沖&桂と言い張る(爆)。
原作で、沖桂にGoサイン出たけど、まだ若布の中では絶滅危惧種なんだい。

桂花美人さまへと飛んで、十二月お題「蒲団」からご覧ください。
サイト公開は終了なさいました。ありがとうございました!






 今、幾時だろうか。
 頭のてっぺんまでかぶった蒲団を持ち上げて外を見ようとした。途端、入り込んできた冷たい空気に、思わず蒲団を下ろす。
 密閉された空間の中でゆっくりと息を吐けば、温かい空気がゆっくりとめぐる。
 そのぬくもりに浸りながら、もう一度桂は蒲団の外へと顔を出そうとした。持ち上げるのではなく、今度は少しずつずらしながら。
 冷え切った空気が、蒲団から覗いた顔に触れる。
 戸板を閉め切った部屋の中は、まだ暗い。一年で一番日の短いこの季節、外が暗いからといって、まだ早いとは限らない。明るくなる頃にはもう遅いのだ。
 体内時計が確かなら、そろそろ起きる頃だ。そもそも、早いに越したことはない。
 起きなくてはならない。
 蒲団をはねのけて。
「………………。」
 少しだけ覗かせた顔を、またぬくもりの中に潜らせる。
 眠気も、さることながら。
 このぬくもりは、手放しがたい。
(起きなければ。)
 やることは、今日もたくさんある。
 京の様子を探らせていた同志が、今日江戸入りするはずだ。連絡を取らねばいけない。
 定期の会合もある。
 新しく出資をしてくれるという商人との会談もある。
 時間があれば万事屋へ行って、甘味と酢昆布を届けなくてはならない。いや、用件は攘夷への勧誘だ。
 北斗心軒へも、今日は寄れるかもしれない。新メニューができたから食べに来いと言われたのが秋、それから約束を果たせていない。今日こそ、是非果たしたい。
 夜にはバイトもある。
 何事もなくても、これだけ予定が目白押しだ。
 何か……たとえば、真選組に見つかるとか、鬼兵隊について新しい情報が入るとかすれば、予定は狂う。それがどれほどのずれ込みになるか、狂ってみるまで判らないのだから厄介だ。
 ずれ込みを最小限に抑えるためには、早いうちから動くに限る。
 それを判っているのに。
 このぬくぬくとした空間から、脱出することができない。
(起きなければ。)
 一日の予定を、もう一度頭の中で確認する。
 二度目のそれはあっという間に終わった。ぬくもりの中に居座る理由を、今度は朝食の献立に求める。
 米は昨夜の内に研いである。自動たいまーとかいう文明の利器のおかげで、起きてスイッチを入れなくとも、時間が経てば勝手に炊きあがる。
 味噌汁の実は何にしよう。葱は欠かせない。豆腐が残っていたはずだ。青菜もあった。彩りを考えると、人参も入れたい。薄く切れば、火の通りは早い。
 それと、たくあんがあった。卵もある。じゃこを入れて、卵焼きにしよう。
「………………。」
 そこまでくると、これ以上考えなければならないことはなくなってしまう。
 それでも、まだ蒲団から出る気力がない。腕を一振りすれば、簡単なはずなのに。
 本当に、蒲団というのは魔性のものだ。
 ふかふかで、ぬくぬくで。
 その心地よさに心奪われてしまうと、簡単に抜け出すことができなくなってしまう。
(起きなければ。)
 時間ばかりが、経っていく。
 早くしないと、時間はなくなる。ゆっくりと朝食を取り、食後のお茶を楽しむこともできなくなってしまう。
 早くしないと。
(奴が、来る。)
「………………えぇいっ!」
 勢いをつけて、桂は蒲団をはねのけた。


 戸板を開けても外もやはり暗かった。
 灯りをつける。
 蒲団をたたむ。するとエリザベスも起きてきた。まだ寝ていていいと告げるも、律儀なペットはきちんと自分の蒲団をたたんだ。
 二人して、朝食を作る。ちゃぶ台を拭いて、食器を並べる。
 テレビをつけて、ニュースを見る。といっても、一般のお茶の間に流れるような情報は、既に手に入れているが。どこまでがマスコミに流れているか、確かめるのも大事な情報収集だ。
 黙々と、ご飯を食べる。
 食器をかたし、お茶を淹れ、やっと一息をついた。
『今日も、ゆっくり朝ご飯が取れましたね。』
「そうだな。」
 いつ来るかと身構えて、身体に入っていた力を、吐く息に乗せてそっと逃がす。
「最近、来ないな。」
 まだ熱い茶にそっと息を吹きかけながらそう言えば。
『のんびりできて良いですよね。』
 挙がったプラカードに、桂は微笑んでみせた。

 朝の襲撃への緊張が、ぬくもりに浸りたい自分へと喝を与えてくれる。

 当人にも、目の前の大事な彼にも言えない、それは自分だけの秘密。




(それにしても。)
 最近来ないのは、どういう訳だろうと考える桂は知らない。
 バズーカ砲を持った少年は、朝の寒さに負けて日課をさぼっていることを。





                       
                                 ~Fin~

by wakame81 | 2007-12-11 22:06 | 小説:桂花美人投稿  

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