お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

北より風速八メートル~to T~

桂花美人様への投稿は、「お題一つにつき作品一点」という規定があり、また自分の中で沖田&桂しばりをしているため、投稿を見合わせた話です。
テーマは同じで、高杉←桂。
………テーマ同じなのに、なんでこんなに反応違うんだ(爆)。






 カタカタいう音で、目が覚めた。
 暗い部屋。灯りはとうに消してある。床に入ったのが子の刻になる少し前。それから如何ほどの時が経ったのか、すぐには判り得ない。
 暗いながらも、眼は闇に慣れているから、おぼろげに室内の様子は見て取れた。
 すぐ側には、ふとんをかぶって丸くなったエリザベスの姿。奥に文机。上にはぱそこん。その脇に、小さな書棚。押し入れとその襖の、小さな部屋。
 カタカタという音は、桂の右手、奥庭に面した方から聞こえてくる。
 障子を開けると、雨戸が震えていることに気づいた。
 触れると、その振動が伝わってくる。
「………風か………。」
 帰ってくるときに、既に風が出始めていた。
 会合で会った同志達が、「そういや結野アナが、今夜あたり木枯らし一番が吹くって言ってましたね。」と話していたのを思い出す。
 外はだいぶ冷えるのだろう。
 少しの間、ふとんから出ているだけの桂すら、肌寒さを覚え始める。
 冬が、近い。
 ほぅ、と息をつけば、熱を吐き出した身体が震える。
「寒い、な………。」
 小さく呟けば。
 余計に、身体が冷えていく気がした。


 まさかこんな時節に、あのような薄手ではいないと思いたい。
 あんな着崩した格好をするようになったのは、終戦後からだ。何を歌舞いたつもりでいるのやら、とは、あの時からの感想だ。
 酒も好きだ。下手に強いために、よく飲む。休肝日をきちんともうけているのか。
 煙草も飲むようになった。酒と違い、百害しかない。
 好き嫌いも少なくない。野菜をしっかり摂っているのか。温かいモノをちゃんと食べているのか。そもそも、ちゃんと朝食を摂っているのか。
 夜、眠れているのか。
 無茶をしてはいないか。
「まったく、きりがないな………。」
 戸板に額をくっつける。
 振動が、身体に伝わってくる。

 無事で、いるのか。
 あんなモノを後ろに回して。

 リスクに、気づかぬはずがない。
 桂や銀時とのつながりなど、調べればすぐに判る。
 攘夷戦争に加わっていた者を、奴等が信用するはずはないのだ。憎悪を現状の政府に向けていることで奴等も利用価値ありとしているのだろうが、いつ斬り捨てられてもおかしくはないのだ。
 いつでも、寝首をかかれる位置。
 そんなところで、あんな綱渡りをして。

「………だから、お前は嫌いなんだ………………。」
 心配をさせることすら。今のお前は許してくれない。


 つんつんと、裾を引っ張られて桂は振り向いた。
 暗闇の中に浮かび上がる、白くて丸い影。
「エリザベス………起こしてしまったか?」
『いえ、トイレに行こうと思いまして。』
「そうか。暗いから気をつけろよ。今灯りをつけよう。それとも、ついて行こうか?」
 頬をゆるめてそう言うと。
『お願いします。』
 少しの間をおいて、そうプラカードが挙がる。
「判った。」
 頷いて、天井からぶら下がる紐を引いた。白い光が一瞬で室内を照らし出す。眩しくて、桂は手をかざした。
 つんつん。
 再び袖を引っ張られる。
「あぁすまない。眩しくて、つい。………寒くないか、エリザベス?」
『平気です。』
「そうか。だが廊下は冷える。これを羽織っていけ。」
 枕元の綿入れを拾い、手渡した。自分の物も拾い上げ、袖を通す。
 エリザベスが差し出す手にふっと笑みを浮かべ、その手を握りしめた。

 昔同じように、手を差し伸べたことを思い出しながら。



                            ~Fin~
  
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by wakame81 | 2007-11-22 22:26 | 小説。  

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