お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

めぐる季節。・後

攘夷メンツは基本的に猫だと思うのですが、銀さんだけ何故か兎に見えます。外見と、神楽がいるからか?








 店で食べるととんでもないことになるので、その後食材を買いに行き、万事屋で焼き肉パーティーが開催された。
 たらふく食った神楽が「妊娠したアルー………」と船をこぎ始めたのをきっかけに、パーティーはお開きになる。
 神楽を押し入れに戻し、新八がいとまを告げて。エリザベスはまだ戻ってこないから、必然的に二人っきりになる。
 パーティーとは言えない惨状を片付けながら、銀時は洗い物をしている桂の後ろ姿を眺めた。
「なーヅラぁ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
 振り向かずに答える。
 けれど、無視しているわけではなく、次の言葉を待っているのが、雰囲気で伝わってくる。
「お前、そんなに忙しいの?」
「当たり前だ。」
「会合なんて、ホントに情報交換なんだろ? エリザベス行かして報告待つでもいーんじゃねぇの?」
「伝言ゲームの効率の悪さは、お前も知っているだろう? エリザベスと俺とはツーカーの仲だが、それでも直に聞く情報と又聞きする情報では違いが出てくることもある。」
 紙で一枚一枚、食器にこびりついた油汚れを拭き取り、そしてお湯で洗い流していく。
 紙がもったいないと、以前銀時が言ってからは、よほどしつこい汚れでもなければそうやって洗うことはなかったが。
「それに、俺にしか判断できない情報もあるからな。会合に出なかったら、それだけ対応が遅れることにもなりかねん。」
「それって。」
 高杉のこと、なんだろーなぁ。
 ゴミを種別ごとに袋に入れながら、銀時はため息をついた。
「面倒くさがるな、銀時。ゴミはしっかり分別せねば、収集車の皆さんが苦労する。」
「ちゃんとやってるだろーがよ、お母さんかお前は。」
「お母さんじゃない、桂だ。お登瀬殿に聞いたぞ、お前またジャンプを燃えるゴミに出したそうだな。丁度いい、エリザベスが戻ってくるまでゴミの分別についてしっかりお前に教え込んでやる。」
「うちのゴミ事情まで口出ししてくんなよ。」
 ていうか。
 そんなことまで背負わなくても、いいんじゃねーの?


 交渉も、対話も。
 桂がいないとそもそも話にならないことも多いだろう。
 金策だって、桂の名を騙る連中ではないことを証明するために、自身が出ねばならないときが多いはずだ。
 情報だって、ただ鵜呑みにする訳にはいかない、直々に動いて裏を取る。
 それが高杉がらみなら、尚更。桂でないと気づけないことも多い。
 真撰組は、ちょっかいかけてくるし。そのほとんどが党首の桂を狙ったものだから、同志を守るために桂はわざわざ矢面に立とうとする。
 そんな中で、資金集めのバイトまでして。党首のすることかと言ったら、家族を持つ者が生活費を削って出資してるのに自分だけあぐらを掻いていられない、と返された。

 高杉のように。
 坂本のように。
 近藤のように。
 腹心がいるわけでもなく。
 たった一人で全てを背負う。

 同じ道を、もう行けない。
 逃げ出したのは、自分なのだけれど。


「なー、ヅラぁ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
「銀さんは、淋しがりやさんです。」
「は?」
「のけ者にされると、淋しくて死んじゃうウサギさんです。」
「いきなりなんだ、お前。生肉にでも当たったか? ちゃんと火を通さないうちに肉を取ろうとするからこうなるんだ。いつぞや蟹に当たったことは、教訓として活かされていないようだな………痛っ。」
 よりにもよってウザい説教で返してきた桂の頭を、ぐーで殴る。
「何をするんだ、逆切れか。」
「うっせー、黙って聞きやがれ。」
 桂の瞳が、まっすぐこっちに向けられる。
 台所の照明を背にしたことで、色素の薄いはずの瞳は、色を濃く、深くする。
 ………仕切り直したら、正直照れるのだけれど。
「ガキの頃からのつきあいなのに、お前と高杉二人でなんかやって、俺だけのけ者って酷くない?」
「………あの時のことは、すでに謝罪したはずだが。」
「あん時のはもういーんだよ。俺が言いたいのはこれからのこと。」
 恥ずかしいことを言ってるってのは判ってる。
 視線を少しずらして、頭をわしわし掻いてみたりして。
「………お前は、そこでいい。」
 口元に少し笑みを浮かべて、桂は言った。
「そこで、見ていてくれればいい。」
「それじゃ、淋しいって言ってんの。そりゃ、攘夷に参加はできねーけどさ。アイツのことはまた別だろ?」
 刃を向けて、斬ると言った。
 それは、自分も同じなのに。
「俺は、深海でただじっと思ってるなんて、そんなマネできねーんだよ。」
 月も真珠も、その輝きを慈しんでくれるものがいないと、輝いても意味はない。
 ましてや。
 そんな、ただ見ているだけの存在じゃない。
「それを、忘れんな。」
 桂の口が、きゅっと結ばれた。
 何を言おうか、何を言えばいいのか。ほんの少しの間、言葉に迷う。
 再び口を開く、その前に。
「それと。忙しいならそれは構わねーから。たまにはうち来て、飯でも食ってけや。」
「………俺はお前の財布ではないぞ。」
 少し遠い目をして、桂は苦笑する。
「ま、頼りにしてっけど。でもアレだからな。」
 ずらした視線を、もう一度戻して。
 まっすぐな眼差しを、正面から捉えた。

「夏休みってのは、また来るんだからな。」




                         ~Fin~

 
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by wakame81 | 2007-09-29 23:47 | 小説。  

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