お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

蒼空砲華

180訓の「夜中に花火をする高杉さんちの子」から妄想。攘夷初期、仲良し4人組。

感想でまったくメインの銀桂にふれてませんでしたが、あまりのすばらしさに、私が何語っても蛇足になってしまいそうで。それに、他の方が私よりももっとすばらしい感想を語ってくださるだろうし。
ということで、重箱の隅を突っつくようなところに走る若布(ローディスト)。

正直銀桂は、語らずとも満足なのです。足りない部分を補うのが、妄想の意義の一つだと思うので。若布は個人的に、そんな妄想をしています。






「おー、ヅラだぁ。」
「なんだ、ヅラかよ。」
「あっはっはー。ヅラじゃぁ。」
「貴様ら………。」
 軍議から帰ってきた桂は、迎えた仲間三人のありさまに、握りしめた拳をふるわせた。
「何をやってるんだ貴様ら。それと俺はヅラじゃない、桂だ。」
「何ってなぁ?」
「見りゃ判んだろ、ヅラ。」
「おんしを待っちゅう間、間が持たのうてな。酒盛りじゃぁ。」
「明日も早いんだぞ、何をやってるんだ一体!! それとヅラじゃない桂だと言った側から何だ高杉!!」
「うるせーよ、ヅラぁ。」
 にやにや笑いながら酒をあおる高杉。その隣で、坂本があっはっはーと馬鹿みたいな高笑いをあげている。
「まぁ、おんしも飲めよ。安い酒やけど、ぱーっとやろうやか。」
「………ふん。」
 坂本の差し出した酒杯を受け取って、桂は高杉の向かい、銀時と坂本の間に腰を下ろした。一息に、煽る。
「おー、しょうえい飲みっぷりじゃなぁ。」
「あ、このつまみは一人2個までだからな。もちろん残りは俺で♪」
「誰が酒まんじゅうをつまみに酒を飲むか………。」
 ため息をついた桂は、高杉が注いできた二杯目も一気に空にした。
「で、どうじゃった、ヅラぁ。」
 ほろ酔いらしい、顔が真っ赤な坂本の問いに、桂は三杯目を口元へと運ぶ手を止めた。
「ヅラじゃない、桂だ。………やはり、反対された。」
「へー。」
 銀時が、関心があるんだかないんだか判らない微妙な顔で、まんじゅうを頬張る。高杉は、フンと小馬鹿にしたような顔で笑った。
「どうせ、天人の武器なんか使えるか、武士の魂に賭けてとか何とか言ってんだろ。」
「………その通りだ。」
 苦い顔で、桂は答える。
 天人の使う大砲を、密輸する商人が長崎にいる。
 その話を坂本が持ち込んできたとき、最初に桂がした反応が、まさにそれだった。
 大砲の威力と、戦う意味をとうとうと坂本に説かれ、最終的には大砲導入を軍上層部に持ちかけることに、賛成したのだが。
「導入する理と利を訴えてはみたが、どうにもな。この刀一本で大和魂を知らしめてくれようと言われてしまった。」
「刀ばあで歴史が作られてきたわけでもないんけんどな。」
「それに、現実問題として、購入する資金がない。大砲一門だけで、どれだけの兵糧と刀が手に入れられなくなるかと言われては、俺も返す言葉がない。弾も、専用のを手に入れなければならないわけだし。」
「金かー………世知辛いよなぁ何でも金金かねって。」
 銀時が、深くため息をつく。
「でも実際、そうだよなー。大砲ひとつで、まんじゅう1年分? いや2年分? 三食まんじゅうにしても3年は食えるだろ。」
「甘味で計算するな。せめて蕎麦にしろ、銀時。」
「かわんねーだろ。」
「そうじゃぁ、それなら茶屋遊びにした方がしょうえいじゃろー。」
「テメェもかわんねぇぞ坂本。」
 そう言って、高杉はとっくりを傾ける。酒は杯の半ばまで注がれ、滴となって止まった。
 舌打ちをしてとっくりを逆さに振る。数滴がこぼれ落ちたが、それだけ。
「………ちっ。しけてやがる。おい他にはねぇのか。」
「高杉ぃ、そっちのは?」
「とっくに空だ。テメェがさっき空けたんだろ。」
「なんじゃ、あればああったがやき、はやないがか?」
「良い頃合いだ。明日も早いんだから、これぐらいにしておけ。今茶を淹れてやる。」
 桂はすっと席を立つ。湯を取りに行くのだ。
「これだけで足りるかよ。」
「仕方あるまい、ないものはないのだから。」
「茶かぁ、そろそろ怖くなってきたなぁ。あ、まんじゅうも怖い♪」
「銀時もまんじゅうを控えろ。太るぞ。」
「太りませんー俺は鍛えてんだから、これくらいじゃ太りませんー。」
「あっはっはー。つくのが肉ながは変わらんしなー。」
「テメェは足りんのかよ、坂本。」
「わしは美人がくべてくれるなら、酒でもお茶でも構わないき。」
「良い心がけだ坂本。」
 はぁぁーっと生温かいため息を吐いて、高杉も立ち上がった。
「なんだぁ高杉、便所かぁ?」
「高杉。手伝ってくれるのか?」
「晋坊は淋しがりやきなー。」
「黙れバカ本、殺すぞ。」
「おー怖い怖い、あっはっはー。」
 馬鹿笑いの止まらない坂本を睨みつけて、高杉は桂の側に並ぶ。
「………酒取ってくるだけだ。土間かどっか探しゃあるだろ。」
「高杉。ここの酒は俺達だけのではない、皆のなんだからな。独り占めしては駄目だ。」
「うるせぇヅラ。」
「ヅラじゃない、桂だ。余所から取ってくるくらいなら、茶を淹れるのを手伝え。」
 そういう桂に、高杉は言い返そうとして、ふと口をつぐんだ。
「高杉?」
「あらら、どしたの晋ちゃん。」
「酔いでもまったかー?」
 口々に問うてくる三人の顔をゆっくりと見渡して。
「………良いこと思いついたんだけどよ。」
 ゆっくりと、口の端を持ち上げた。


 数日後。
 部隊は、天人の一団とぶつかった。
 先陣を切るのは、坂田銀時と桂小太郎。未だ、≪白夜叉≫≪狂乱の貴公子≫の異名をつけられていない二人だが、すでにその片鱗は見え始めていた。
 日本人の倍近くほどもある体格の天人たちを、銀時の刃が薙ぎ払っていく。一見力任せに見えて、急所を的確に狙うその太刀は、一振りするたびに確実に敵を屠っていく。
 その背後から人一人ほどもある大太刀を振り下ろそうとした天人の一人が、首筋から血を吹き出して崩れ落ちた。その側にいた天人たちも、次々と倒れ伏していく。
 驚愕する天人たちの間をすり抜けていく、黒い影。
 その影を捕らえようとする天人たちの目の端に、銀髪と白衣が閃く。はっと振り返る頃には、胴と首が泣き別れをしていた。
 天人軍の怒号と混乱は、離れたところにいた別働隊にも届いていた。
「やっぱりやりなぁ、あの二人。」
 遠目で白影を確かめて、坂本は感嘆の声をあげた。
「さすがは金時じゃ。ヅラは………見えんがあの辺かのー。」
「だろうな。」
 坂本の視線の先をちらっと見やって、高杉は短く答える。
「敵さん大混乱じゃぁ。こりゃあーこのまま、決着がつくんやか?」
「だったら苦労はねーだろ。」
 答える高杉の表情は厳しい。
「あっちの方が数は多いんだ。ついでに、こっちの本隊はあの二人以外は雑魚に等しい。分断されたら各個撃破のいい餌食だろ。」
「各個ねぇ。」
 そのくらいの読みは、坂本もできている。
 敵軍が本隊に集中すればするほど、その先陣の銀時と桂への囲いは厚くなる。その厚みは、逆に敵本陣の守りを薄くさせる。そこを突くのが、高杉、坂本らなのだが。
 少数で突けるほどに本陣が薄くなるまで、味方本隊が持ちこたえられるか。
 銀時と桂が、持ちこたえさせられるか。
「ま、あの二人なら、なんちゃーがやないだろー。」
「………何語だ、そりゃぁ。」
「心配無用ってことちや。」
 高杉の表情は、さらに厳しくなった。
「どうしたがだ?」
「………何でもねぇ。」
 厳しい、というより、その表情は。
「アイツらの心配なんざ余計だってのは、判ってんだよ。」
「なんじゃ、どくれてたばあか。」
 楽しそうに笑う坂本を、高杉は睨みつけた。
「どくれることはなかー。今回は、超重要秘密任務があるんやき。忘れちゃいかんじゃろー。」
「忘れちゃいねーよ。」
 そう言って、そっぽを向いた顔は、まさに拗ねた子供そのもので。
「あっはっはー。ま、がんばるぜよ、お互い。」
「バカもじゃうるせぇ、少し黙れ。」
「もじゃとはえずいぜよー………と。」
 それぞれ違う方を見て、目を細めた。
 高杉の視線の先で、白影と黒影と、その後ろに、天人の壁ができつつあった。
 坂本の視線の先で、本陣の兵たちが、前線へと移動し始めた。
 その本陣に置かれている、黒光りする筒を見て、坂本の目が光る。
「高杉。見てみい。」
「………………。」
 促された高杉は、口元をにやりと歪ませて笑った。


 分断され、一時は押されかけた本隊だったが。絶妙なタイミングで敵の側面を突いた別働隊により天人軍は浮き足立ち。そこをさらに前進して本陣に迫った先陣の二人により混乱に陥り。
 高杉曰く雑魚でも、数がそろえばそれなりに脅威となる総攻撃で、その日の戦は快勝に終わった。
 もちろん、超重要秘密任務の達成という、豪華賞品つきで。
「あっはっはっはっはっはっはっはーーー。」
 勝利の酒は、酔いやすい。
 すっかりできあがった坂本は、戦利品の黒光りする大筒………大砲にすりよってはひたすら馬鹿笑いをあげていた。
「ま、ざっとこんなもんだろ。」
 高杉も、上機嫌だ。
 高杉の思いついた「良いこと」、坂本言うところの「超重要秘密任務」。
 金がなくて買えない大砲なら、持っているところから奪ってくればいいというものだった。
「バッカお前、それだけの余裕があったの誰のおかげだって思ってんの? 銀さんががんばってがんばって、敵戦力集中させたからじゃねーの。感謝の気持ちよこせよコノヤロー。」「いっぱいいっぱいだったところを俺らの奇襲で助かったんだろ、こっちこそ感謝してほしいね。」
「あーしてやるしてやるから糖分ちょうだい。」
「酒しかねーよ。甘いモン欲しけりゃみりんでもなめとけ。」
「みりんーみりんー。」
「探しに行くな馬鹿。」
 糖分を求めてふらふらと立ち上がった銀時を、一人不機嫌な顔の桂がはたく。
「あにすんだよヅラー。」
「ヅラじゃない、桂だ。何だ貴様は糖分糖分と。」
「疲れたときには糖分だろーがよー。とーうぶん、とーうぶん。」
「貴様は摂りすぎた。」
 糖分コールを始めた銀時を、もう一度はたいた。その様子を見て、高杉がククっと喉を震わせて笑う。
「何だぁ、ずいぶんな機嫌じゃねぇか。大砲も手に入って、何が不満なんだよ。」
 大砲と聞いて、桂の眉間のしわはさらに寄った。
「なに。上の連中に、またなんか言われたの?」
「………余計な真似を、とな。」
「ふーん。」
「アイツらなら言いそうだなぁ。」
 そう言いながらも楽しそうに笑う高杉を、桂は睨んだ。
「俺達の勝手と言うことで、所持は許可された。だが、砲弾や弾薬にかかる費用は、一分も出ないそうだ。」
「あらら、ケチねー。」
「そこら辺は予想の内だろ。大砲本体に比べたら、大したもんじゃねーじゃねーか。それくらいなら、多少は融通が利くって、そこのバカもじゃも言ってたじゃねーか。」
「………………。」
 桂の表情は、浮かない。ため息をついて、銀時は頭を掻く。
「なーにが不満なのー。銀さんに言ってごらんー?」
「………せっかくの、お前たちの苦労を、伝えられなかった。」
「そんなの。」「そんなことかよ。」
 盛大なため息を銀時はこぼし。高杉は、目を細めて鼻で笑う。
「それが伝わるような頭なら、大砲の一つぐらい融通利かせられるだろ。あの阿呆どもに何期待してやがんだ。」
「実戦で使ってみればいいんじゃねーの? そうすりゃ、上だってちゃんと判んだろ。こいつはちゃんと使える奴だって、お前が証明すりゃいいだけでしょ、ヅラ?」
「ヅラじゃない、桂だ。」
 そう答えてから、桂はふっと息を吐いた。
「………そうだな。」
「そういうことー。」
「それでは、坂本と共に長崎に行く係を決めねばな。」
「「俺が。」」
 二人同時に手を挙げる。そして、互いの顔を見合わせて、次いで睨み合った。
「高杉おめー何言ってんだよ。初めてのおつかいですかコノヤロー。」
「テメェこそ、どうせ甘味目当てだろ。」
「悪ぃかよ、おめー長崎だぞ、かすていらの本場だぞ!! おめーこそ、何でそんなに行きたがるわけ。」
「かすていらなんざ知るか。色んなもんの密輸品が拝める、絶好の場所じゃねぇか。」
「お前ら………。」
 密輸の商人とつながりを持つには、坂本の存在は必要不可欠だ。一方で桂は、軍議などがあるために、軍を離れられない。
 だから、二人のうちどちらかに、坂本に同行して欲しかったのだが。
「そーですか晋ちゃんはいけないことに首つっこみたがるお年頃ですかー。」
「テメェ少しは糖分断ちしたらどうだ? そのくるくる頭も落ち着いて、ただの白髪になるかもしれねーぜ?」
 それぞれ自分の食欲と好奇心を満たすことしか考えてない二人に、桂は、やっぱり自分が行くべきだろうかと、ため息をつきながら思った。


 結局、「かすていらを土産にする」という条件で、銀時が折れた。銀時の容姿では目立ってしまい、密輸には不向きだったことも言える。
 とにかく、二人は密かに長崎に出向き。そして帰ってきて。
「それだけ効果を期待するなら、使ってみればいい」というところまで、桂は上の譲歩を引き出し。
 そして、大砲のお披露目も兼ねた戦いの火蓋が、切って落とされる時が来た。
「………大丈夫だろうか。」
「何がー。」
 先陣は変わらず、銀時と桂。
 高台を見上げながら、桂は呟いた。
 あそこには、大砲が設置されている。砲手は、長崎で使い方を学んできたという、高杉と坂本だ。
「高杉のことだ、余計なことをしでかしてくれるんじゃないだろうか。」
 幼い頃からのいたずらが絶えなかった幼なじみの小さな姿を思いだして、桂は銀時に答えた。
「まー、ずいぶん楽しそうだったしな。使うだけで手一杯なんじゃね?」
「だと、良いのだが………。」
 すっと息を吸って、桂は目の前を見据える。
 行進する天人の軍が、もう目前に見える。意識はすでに、目の前の敵に切り替えられていた。
「………行くぞ。」
「おう。」
 一瞬、交差するまなざし。
 そして二人は、走り出す。
 迫る二人の姿を目にした天人の軍が、騒ぎながらも臨戦態勢に入る。
 二人を援護するように、高台から砲弾が発射され。

 ひゅ~~~~~~~~~~~~~~るるる。どーん。

 白煙をたなびかせて発射されたそれは、天人軍の頭上で、破裂して消えた。

「なんだ!?」
「不発か!?」
 後ろで味方が浮き足立つのがわかる。
「うーーわーーーーーー。」
 ぼそっと低い声で呟く銀時。その隣で桂が、柄を握りしめ、怒りにぶるぶると体を震わせた。
「………あの、バカ杉がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ。」


「やっぱ、昼間に打ち上げ花火ってのは地味だなぁ。」
「あっはっはーヅラが怒っちゅうぞー。」
 やはりこれも長崎で買い求めた望遠鏡をのぞきながら、坂本は軽快に笑った。





                         ~Fin~
   
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by wakame81 | 2007-09-11 03:25 | 小説。  

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