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お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

許してくれないのでしょうか。あなたを心配することすら。

お久しぶりです。

いろいろやらなあかんことすっ飛ばして何やってんだかなぁと自分でも思います。けれど、吐き出したかったんですこのもやもや感。
や、こうやってネタにしないとやってられんと言いますか。

ただいまフィギュアスケートがオンシーズンです。グランプリシリーズが、中国大会、男子フリーまで終わりました。正確には全競技だけど。
うん、あとは察して下さい。


誰か腹パンしてくれと想いながら書きました。される側が、最初は桂さんが心配する側だったのにされる側になったのは、わかめが常々、桂さん殴りたいと思ってるからです。

坂本別人警報発令中。この役振れるの、坂本しかいなかった。

小説カテゴリだけど、小説と言えるほどのものでもないです。ただの殴り書き。







 三人の顔を見て、坂本は、まず感謝するように天を仰ぎ、そして深く息を吐き出した。
「どうした坂本。溜息をつくと幸せの妖精さんが逃げると、常々言っていたのはお前だろう」
「それを判っていても溜息つきたいワシの気分にもなってくれ」
 告げても、桂はこてん、と首を傾げるのみだ。視線を移せば、何が悪いんだ、と言いたげに睨んでくる高杉と眼が合う。もう一人、銀時だけが、こちらの心情をちゃんと読み取ってくれたようだ。目をそらしたのは、いただけないが。
「何ちゅう無茶をしてくれたんじゃ。わしの隊が戻るまで、待ってくれなかったかえ?」
「無茶?」
 何が、と言わんばかりの桂は無視する。
「高杉」
 呼べば、高杉はハ、と笑って見せた。
「幕軍は壊滅しただろうがよ。こっちの被害もほぼ無い。なんでそこまで目くじら立てる」
「ないっつーか、三人で特攻かけてりゃそりゃぁ被害ないろう!」
「我ながら、妙案だったな」
 むしろ愚策の極みだ、と、教えてやっても桂は理解しようとしない。結果オーライ、なんて、ただの運の賜物だ。
「仕方ねーだろ、みんな、ぼろぼろで、真っ当な戦できる奴らなんて少なかったんだから」
 やっと、ぼそ、と銀時が口を開いた。
「これ以上疲弊させられなかったんだよ」
「やきワシを待つらぁ。或いは、普通に撤退戦もできたろう」
 目をそらしたままの銀時や、口を尖らす高杉は良い。まだ、坂本の言葉にきょとんとしている桂が、まるで知らない奴のように見えた。
 いつもの桂なら、この状況で、たった三人で殲滅戦なんてけしかけない。
「……金時」
「銀な、銀」
 じ、と視線を注ぐ。明後日の方を向きながら、銀時の額には汗がしみ出している。もう一度、今度は正しく名を呼ぶと、そらされた目は更に落ち着き無く泳ぎ始めた。
「銀時」
「……敵将の一人が、先生の処刑に関わっていた」
 低く、高杉が答える。緑色の眼は暗く燃えていて、これ以上口を挟むなと雄弁に告げてくる。
 理由は判った。ぼりぼりと、坂本は頭を掻きむしる。終わりだろ、と言いたげに高杉は酒に手を伸ばそうとし、桂は坂本が持ち帰った文に改めて目を落とし、銀時はふぅ、と息を吐き出す。
 ふざけるな。
「あのな?」
 何だよ、と高杉が舌打ちし、それを武士らしくない、と桂が咎める。そのまま高杉の機嫌が急降下して銀時が茶化して言い争いになって、なんていつもの流れになど、誰がさせるものか。
「ほきおんし達が返り討ちに遭ったら、この軍はどうするするつもりじゃった。ワシがおるから、ってのはなしな」
 率いる者を討ち取られた軍など、ただの烏合の衆だ。弔い合戦をしようとも簡単に蹴散らされるだろう。そして、幕軍側が、将を討ち取られた軍の殲滅に出る前に、坂本が戻れる保証などどこにもない。
 説明されずとも、その光景はありありと思い描けただろう。桂は唇を噛み、こちらを睨んでいた高杉の目が初めて揺らぐ。けれど逸らされずに、その口は反論を紡ぐ。
「しかしまともに撤退戦を選べば、脱落者が出たのも事実だ。その犠牲なしに皆の休息を得られたのだから、仕掛ける甲斐はあっただろう」
「テメェは、先生の仇を討つ機会を黙って見逃せって言うのかよ」
「ほきおんし達が死きたら、どうなると言うてるんじゃ。今は、命を捨てる時か? おんし達の先生は、それを教えてきたんか?」
 坂本の出したジョーカーに、今度こそ二人は押し黙った。納得させるのでは無い、力尽くの説得に、対する彼らの反応に、少しだけ罪悪感が滲む。
 本当は。伝えたいのは、そんな言葉じゃ無い。
「判ったら、次からはこがな無茶しやーせきくれ」
「すまない」
 まっすぐな、謝罪だった。判ってくれたかと坂本の目は一瞬輝き。続く言葉に唖然と見開かれる。
「それは、約束できない」
 言葉を見失う坂本に、高杉が口端を持ち上げた。敢えて言わぬ言葉が何だったのか、尋ねることすら恐ろしい。
「悪ぃな」
 そう、肩を竦めた銀時の、死んだような眼の奥に。桂と、高杉と、同じ炎を垣間見る。卒倒しなかった自分を、褒めてやりたい、と坂本は後に思った。
 誰かこの馬鹿どもを止めてくれ。天を仰ぎ、そう願う。
 できることなら、先生よ。この胸の内を、あなたの言葉でこの馬鹿どもに判らせてほしい。

by wakame81 | 2014-11-09 06:07 | 小説。  

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