お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

お前ら気合い入れて祝うっすよぉぉぉっ!

桂マイナーcpアンソロ、6月シティのコタ誕で発行しました。当分は、記事全部にバナーをはっつけておこうと思います。



アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については、こちらをごらんください。

今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手かinfoあっとまーくk-dokkin.daa.jpまでお願いします(爆)

通販も、再開してます。詳しくは、こちら。

虎の穴さんでも、アンソロ通販開始となりました。こっちにはノベルティついておりません。欲しい方は、ご一報ください。


高杉誕生日滑り込みセーフ!? いや、今十日の25時ですよね?(悪あがき)
宝石シリーズじゃないほうの11年度の誕生日の密かなテーマは「桂さんがいない」ですが、これ高杉もほとんど出てきてないです(爆)。鬼兵隊書くの楽しいなぁ。









 木島また子は、その日張り切りまくっていた。
「おいそこぉぉっ、ワイングラスの配置がちょっと曲がってるっすよっ! あーそんなつまみかたしちゃだめっす、指紋つくだろーがぁっ」
「大吟醸はこっちっすよ! ちゃんと、金粉と桜の花びらを枡に入れておくっす!」
「ビールグラスは冷蔵庫ごとこっちに持ってくるっす! いつでも冷えたキンキンのを晋助様に味わってもらうンすからね!」
「来賓とこにもちゃんと酒はいってるっすか? ちょっとのミスでも犯しちゃだめっすよ、全部晋助様の評判になるんっすからね!」
 船の、一番広い部分をディナーショーか結婚式場のように飾りたて、あちこちにさまざまな星の銘酒を並べる。ばたばたと走り回るさまは、転びやしないかと冷や冷やさせられる。
「そこらのプロデューサーよりもよっぽど熱が入ってるでござるな」
「だったらアンタもちゃんと指示して欲しいっす、万斉先輩っ。会場の飾り付けは先輩の方が慣れてるんすから!」
 やれやれ、と肩をすくめて万斉は、屏風の向きや照明の当たり具合をチェックする。また子一人ではどうも情熱が空回りして、派手派手しいものになりかねない。そこに一筋の品がなければ、自分たちの大将の趣味には沿わなくなるのだ。
「いいっすか、今日は晋助様の誕生日なんっすからね。お前ら気合い入れて祝うっすよぉぉぉっ!」
  ウォォォォォォォ!!
 おそらく、春雨の将軍の首を取ったとき以上の気合いとときの声が、艦内を満たす。ヘッドホンでそれをやり過ごして振り向いた万斉は。
「へー誕生日。タカスギの」
 てっさの大皿を抱えて頬張る、元・春雨第七師団団長と、ばったり目があった。



「そいつは奇遇だったなぁ。やーいい日に遊びにきたもんだ」
「あーーーーっ! アンタ何やってるっすかぁぁっ。それは晋助様のためにっ」
「(ごっくん)あっちにまだたくさんあったからさぁ。いーじゃんほんの三皿くらい」
「もう三皿もつまみ食いしたっすかっ? 吐け、吐けぇぇぇぇぇぇっ」
 宇宙広しといえど、この男の胸ぐらひっつかんでぐるぐる振り回すことのできる者などそうそういないだろう。一瞬ヒヤリとした万斉だったが、神威は平然とまた子の腕を振り払った。
「あ、どうせだったらご飯も欲しいな」
「お前に食わせる飯なんかないっす! 何しに来たっすか!」
「さっき言っただろ? 遊びにだよ」
 気持ちはわかるが、フーっと猫の子のように毛を逆立てたまた子では話が進まない。肩をすくめて間に入った万斉を、神威はにっこりと見上げた。
「や、お兄さん。タカスギどこ?」
「今日は晋助は、忙しいのでござるが」
「知ってるよ、誕生日ってお祝いするんだろ。だったら俺もお祝いしてあげるよ」
 何がいい?と問いながら手は、別の料理の皿に伸びる。目くじらを立てるまた子を片手で制して、引き寄せられかけた皿を押し逃がす。
「あれ?」
「すまんが、まだ準備中でござる故。ちゃんと祝いの席が始まれば、好きなだけ食してよいから今は少し我慢するでござる」
「我慢したら、全部食べてもいい?」
「無論」
「万斉先輩…っ!」
「どうせ晋助は、量は食べぬであるから」
 その言葉は同時に、また子にも向けられていた。理屈はわかっていただろう、また子も口を尖らせながら、渋々引き下がる。
「そうなんだ、もったいないね。それじゃ俺がタカスギのぶんまで食べてやるよ」
 陰りのまったくない顔で神威は笑う。おそらく今現在宇宙最強のこの男は、行動パターンは実は子供のそれに近い。余興という名目で高杉との死合いを望むかもしれないが、そのときは高杉が何とかあしらうだろう。相性はいいみたいだし。
 万斉が気になるのは。
「ところで神威殿。今日は一人でござるか?」
「いーや? 阿武兎も来てるよ。ほらあっち」
 あごで指す方向に、黒マントと向かい合う茶の羽織袴の姿を見かけて、万斉はひそかに息を吐いた。彼が相手をしてくれるなら、何とかなるだろう。
 目には目を、狸には狸をだ。



「ですから私としては、この催しには少なからず反対なのですよ」
 その、狸と称された男は、いつにも増して真剣な顔つきで熱弁を振るっていた。彼の真剣な顔など、見分けのつくものは少ないのだが。
「確かに、心を込めるというのであればまた子さんの熱心さに勝るものはないでしょう。実際に手腕をふるわせてみれば、万斉さんの右にでる者はいない。私自身、私の意見がどれだけ実行するのに難しいか、理解はしています。けれど、高杉さんの誕生祝いに花束を持った少女の一人や二人いてもいいではありませんか」
 グッと拳を握りしめる。聞く方は笑みを浮かべながら、その口端をひくひくと震わせていた。
「花束持った小娘、ねぇ?」
「いたいけな少女が緊張に震えながらも花束をおずおずと手渡す、これに勝る祝福などあるでしょうか、いやあり得ません。そうは思いませんか?」
「侍とやらの価値観ってーのはよく判らんねぇ。すまないけど」
「いえ、いいのです。また子さんも万斉さんも、全く理解してはくれませんでした。正しい理論というものは最初から皆に理解されるものとは限らないと、よく知っていますよ」
 腕組みをして一人うんうんと頷く。対する阿武兎は明後日の方を向きながら頬をぽりぽりと掻く。まぁ見慣れた反応だったが、続けられた言葉に武市は密かに目を見張った。
「何がいいのかよく判らんが、早く言ってくれたら小娘の一人や二人くらい、適当に見繕ってきてやったのになぁ。お望みなら、地球人のを」
 ここは地球ではない。太陽系ですらない。そんな、広大な宇宙の隅にいるような地球人の少女など、どういう境遇を強いられているか、考えるまでもなく見当がつく。それを、おそらく交渉などという平和的な手段ではなく見繕うと、簡単に言ってのける男に、毛ほどの期待以上に鳥肌が立った。
 これが、夜兎なのだ。
 ゆっくりと、武市は息を吐いた。今、彼らをこちら側にたらしめているのは、ひとえに神威の気分に他ならない。それを成す高杉のカリスマ性こそ、奇跡と称えるべきなのだろうけれど。
「……ありがたい申し出ですが。本日の賓客の顔ぶれを考えますと、あまり得策とも言えますまい」
「あぁ、あいつらね?」
 すでに、顔ぶれは確かめていたようだ。賓客が控えているだろう部屋を、阿武兎はちらりと見やる。
「確かに、地球人の小娘なんかいたらその場でオークションとかやりだしかねねぇのが何人かいたねぇ。しかし、本気かい?」
 ニヤリ、と阿武兎は口角を持ち上げる。
「お誕生パーティーには、ちょーっと品のない連中ばかりじゃないか。実際去年もいなかっただろ? ま、俺たちが言えたことじゃないかもしれないがねぇ」
「所詮日和見の連中でしょうが、構いませんよ。彼らには彼らなりの使い方があります」
 神威と高杉の反乱の報は、瞬く間に宇宙の裏社会を駈け巡った。最初は、元老に楯突く第七師団と鬼兵隊の分があまりにも悪すぎると、思われていたのは事実だ。それを跳ね返したのは、元老の追っ手をこちらがことごとく叩き潰してやったからだ。
「たとえば、大江戸青少年健全育成条例改正法案反対の署名や抗議のデモ活動など」
「アンタまたそれかい」
「それすらできないのであれば、使い捨てるだけですよ」
 武市は、笑わなかった。必要がなかったからだ。すでに頭の中は、彼らの有効活用法を求めてフル活動している。その中で本当に使えるものがあれば、ラッキーというものだ。
 手駒は、いくつあっても余るということはない。何しろ敵は、各星を陰から牛耳っている天導衆、そして《攘夷の暁》なのだから。



「晋助さまー」
 乾杯をしたあと、高杉はふらりと姿をくらましてしまった。また子としては、あんな連中とつきあって欲しくないのだが、姿が見えないと不安になる。
 この、暗闇しかない宇宙の中で、また子が指針とするのは高杉の存在のみなのだ。かのひとを見失ったら、自分は途端に迷子になってしまう。
「晋助さま」
 神威にとっつかまっているのではなかった。星の海が見えるロビーにもいなかった。酒は全部会場に持ってきていたし、自室も空だった。
 だとしたら。
「……晋助様」
 贈り物を運び込んだ部屋に、あでやかなに蝶の舞う友禅の着物を見つける。今日押し掛けた賓客だけでなく、高杉に取り入りたい連中が贈りつけてきた品はどれも豪奢なものだったが、高杉はそのほとんどに見向きもしなかった。
 ただ。
「……木島か」
 呼ぶ声はかすれるようなものだったのに、高杉は振り向いてくれた。その喜びを、彼が手にしていた文が押し流してしまう。
「どうした。武市か万斉あたりが呼んでたか」
「……いえ、そうじゃないっすけど」
 首を振ると、高杉はかすかに目を細めた。どこかやわらかい表情にときめくほど、心は躍ってくれない。
 その文は、昨日届いたものだった。送り主の名はない。けれど誰からの品か一目瞭然なのは、ただそれが毎年同じ使用で贈られてくるからではない。
 漆黒の炭で几帳面に書かれた宛名はとても美しく、そして限りなく高杉の綴る文字に似ている。いつも同梱されてくる禁煙パイポを高杉は使ったことはない、が、ぞんざいに扱われたこともない。
「その…姿が見えなくなったから、ちょっと気になっただけっす」
「そうか。……そろそろ酒も切れるな」
「持ってきましょうか?」
「いや、いい」
 折り畳んで封筒にしまい、机の上にそっと置く。
 その文を、高杉の手に渡る前にもみ消してしまおうかと何度思ったことだろう。けれど、実行することはできない。おそらく、これからも。
 それは、また子の情熱すら省みない高杉が、ただひとつ心待ちにしている贈り物なのだから。




                                 ~Fin~
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by wakame81 | 2011-08-11 00:18 | 小説。  

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