お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

ある晴れた日に:3

本当は山崎も出したかったんですが、出す隙間はありませんでしたーー。……って、オールキャラ出せと誰が言った(爆)←リクはあくまでも、「沖vs神楽」








 勢いよく、さっちゃんは飛び上がった。闇に飛ぶものに相応しく空中でくるくると三回転し、土手へと着地失敗してそのまま転がって行く。
「アンタ何しに出てきたんですかぁぁっ」
「もちろん、決まってるじゃない」
 顔も身体も髪も草っぱまみれにしながら、さっちゃんは颯爽と戻って来た。妙と九兵衛の間に立ち、クナイを柳生の若き跡取りに向ける。
「さぁ、お妙さん。ここは私に任せて。九兵衛さんは私が食い止めるわ」
「猿飛さん?」
「そして、そのゴリラと永久氷壁で愛を永遠にしてきなさい。大丈夫、銀さんのことは心配しないで。私が全身全霊を込めて、愛の永久氷壁を築いてみせるからっ」
 何かが砕け散る音がした。これが、妙の青筋だったりすればまだいいのだろうが、なんかこう、ぐったりと妙の肩にもたれかかる近藤の、右腕あたりから聞こえた気がする。
「ちょっと、それどーゆー意味かしら猿飛さんっ?」
「そうだっ。妙ちゃんと愛の永久氷壁を築きあげるのはこの僕だっ」
 言うなり九兵衛の姿は掻き消え、さっちゃんの前に現れた。抜きざまに刃を払うが、軽やかなジャンプでさっちゃんはそれをかわす。投げつけられたクナイを、九兵衛は全て叩き落とした。《神速》の名に恥じないスピードだった。
「ちょっと、九ちゃんも猿飛さんも何やってるのっ。私はただこのクソゴリラを捨ててきたいだけで、この(自主規制)ともあの白髪頭とも愛の永久氷壁を築きたいなんて思ってもないんですからねっ?」
 妙が制止だか抗議だかの叫びは、刃を交える二人に届く様子もない。始まってしまった場外乱闘を止める術は、少なくとも妙にももちろん新八にもない。
「あーーもうっ。誰かこの事態収拾してくださいよっ。そうだ、桂さんっ。桂さんならあの二人のスピードに対抗できるでしょ、お願いです止めてくださいっ」
「新八君。一つ重大な問題が発生した」
 ミョーに真剣な顔で、桂は二方向で展開されているバトルフィールドを交互に見やる。沖田VS神楽は、素早い拳とカスだのボケだの胃袋野生児だのという悪口の押収に移り変わっているが、九兵衛VSさっちゃんの方は、目にも止まらぬスピードと飛び道具のおかげで、通りすがりの空き缶拾い途中のマダオを巻き込んで、いっそう被害を拡大させていく。
「あべしっ。……俺いつもこんな役ばっか……」
「何ですかその問題って。長谷川さんまで何でかしんないけどやられちゃってんですよっ? いいから早く、」
「九兵衛殿が来たということは、キャラ被りの俺は退場しなくてはならないのだが、そうしたらリーダーの指示に従えなくなってしまう」
「アンタまだそんなこと気にしてたんですかぁぁぁっ」
「そんなことではないぞ。大多数のキャラクターが登場する作品にはとても重要な問題だ。勿論、被っている当人同士も、お互いの特徴を食い合ってしまい、存在感を薄くしてしまうという非常に重要な問題があるのだ。眼鏡という大きな特徴を持つ新八君には判らぬやもしれんが」
「眼鏡メガネ言うのは止めてくださいっ。僕には他にもお通ちゃんの親衛隊長とか、大きな特徴あるんですっ」
「そうだったのか。寡聞にして知らなかった」
「今すぐツインテールにしてやりましょーかぁぁぁっ」
 そこへ、けたたましいサイレンの音が鳴り響いた。ピタっと動きを止めたのは、志村姉弟と桂とペット2匹だ。さすがに、バトル真っ最中の二組は、やってきたパトカーに見向きもしない。
「何の騒ぎだゴルァァァァっ」
 バタン、とドアを壊す勢いで開けて現れたのは、ご存じ真選組の鬼の副長である。鋼色の眼が鋭く、橋の上から辺りを見渡す。
「柳生の小娘に、とっつぁんとこの女忍者? それと、……おい総悟ぉぉっ。オメー万事屋んとこのチャイナと何遊んでんだ、仕事はどーしたぁぁぁっ」
 もちろん、沖田は無視である。舌打ちをした土方は更に視線を巡らして。
「志村姉弟…と近藤さんっ? それに……桂っ?」
 土手の上で丁度殺陣展開中の女子二人を避け、土方は欄干を飛び降りる。黒い隊服の裾をなびかせて土手の上に着地したところへ。
「ちょぁぁぁぁぁぁぁっ」
「でぃやぁぁぁぁぁぁっ」
 神楽と沖田の蹴りが、いきなり飛んで来た。
「どわぁぁぁっ? おい、何すんだ総悟っ」
「流れ弾でさぁ土方さん。そこいると危ないですぜっ」
「どくアルマヨラーっ」
「俺挟んで拳繰り出しあってんじゃねぇぇぇっ!!」
 三、四発食らいながらも何とか土方は、殴り合う二人の間から脱出した。狙ったとしか思えない、強い一撃を受けたみぞおちをさすりながら土手の下へと降りる。
「桂っ。てめ……え?」
「桂じゃない、キャプテン・カツーラの母だ」
 仏頂面で答えるのは、どう見ても第一級指名手配・桂小太郎にしか見えない。ただし、ツインテールの。
「……いやお前、桂だろ」
「そんな、革命家ではない。キャプテン・カツーラの母だ」
「聞いたこともねぇよキャプテン・カツーラの母だなんて。第一、そのツインテールは何なんだ」
「知らんのか。昔、女子が髪の毛を二つ結びにしていると、『ウルトラの母だ』とからかって遊んだだろう。それと似たようなものだ」
「知らねーよっ。てかオメー、ガキの頃んなことしてたのかよっ」
「俺ではないぞ」
 あぁ、銀さんか。一人納得する新八に、妙がこっそり、さすがは新ちゃんねと耳打ちをする。
「ゴリラの手下が来ることを見越して、あらかじめ桂さんをツインテールにしておくなんて」
「いや、姉上、偶然です……」
 そういえば、いつの間に妙の肩には近藤の姿がない。見れば、近くの草むらに白目を剥いたまま放り出されている。
「そうだ、土方さんっ。近藤さんがっ」
「そうだった。オイ志村妙っ。オメー近藤さんに何しやがるっ」
「いえ、私は別に?」
「別にじゃねーだろ明らかにオメーだろ」
「イヤだわ、言いがかりなんて」
「そうだ。無辜の婦女子に何を言うのだ」
 妙どころか桂もといキャプテン・カツーラの母まで加わって、土方の青筋は幾重にも膨れあがる。こっちでも場外乱闘が起きそうな状態に、河原の石ころの無差別投擲をかわしていた沖田の眼が向く。
「……土方のヤロー」
「なーによそ見してるアルか。余裕のつもりかゴルァっ」
「や、そーいやどこぞのマヨラーぶっ潰すっつー大事な用を思い出したんでねぃ。てめーと遊んでる暇はなくなってきちまったみたいでなぁ」
「逃げる気アルかっ」
 日なたに躍り出た沖田との距離を、神楽は一息に詰めた。幾分か傾き、強さも和らいだとはいえ弱点であるはずの日射しを浴びた頬は真っ赤になっている。が、受け止めた拳には少しの衰えも感じられない。
「逃げるなんて卑怯ネっ。ちゃんと決着つけるアルっ!」
 それまで、口元にいくらかの笑みを残していた沖田の、まなざしが不意に真剣なものになった。一瞬だけ通り過ぎるような視線を、神楽は感じる。それが何か理解する前に、笑みは再び戻って来た。
「そうだなぁ。ここで上下関係しっかりつけとかねーと、また面倒なことになりそうだしなぁ」
「フン、てめーが下だってことしっかり判らせてやるアルっ!」
 違和感とすら呼べない些細なナニカは、眠る桂とそれを見つめていた沖田の姿と混ざり合ってささくれ立つ感情をさらにかき立てる。それを吹っ切るように、神楽は両拳を組んで思い切り振り下ろし、地面に十四個目の大穴を開けた。




                          ~続く~
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by wakame81 | 2010-05-07 23:40 | 小説。  

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