お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

黒猫deタンゴ:1

サイト海藻…………(何回言った?)

リク小説、「猫化した桂(+銀)が、高杉んちに潜入」。この書きようからして、銀桂サイドではなく、高桂サイドの話になりました。別名、「晋ちゃんにご褒美をやろう大作戦(書いた人の)」








 ばたばたばた、と足音が船の中に響く。窓にもたれるようにしてうたた寝をしていた高杉は、ぼんやりと眼を開けた。
「晋助さまーーっ」
 また子がかしましいのはいつものことだ。ふわぁ、と欠伸をして、もういちど眼を閉じる。眠っているとしってさらに邪魔をしてくるようなバカではない。九月の風は生温いが、川沿いにいるためかどこか清々しさを感じさせ、残暑の熱を払っていく。
 ゆるりと眠りに落ちかけた意識を、スパーーーンと音を立てて開かれた襖が邪魔をした。
「見てください、猫っす!」
 うるせぇ。低い呟きはちゃんと言葉になって届いただろうか。不穏な空気だけでも感じやがれと身体を起こさずにいる。また子は騒ぐのをやめたようだ。ぴたっと空気が止まる。
 それを、思いもかけないモノが邪魔をした。
 バリ。
「きゃぁぁぁぁっ、晋助様に何するっすかこのバカねこーーーーっ!!」
 騒ぐのはやっぱり、引っかかれた当人ではなく、また子であった。


 指名手配を受けているといっても、部下の全員が引きこもっているわけではない。河上万斉は顔を知られていないのをいいことに表の仕事を持っているし、武市変平太も参謀として情報収集やさまざまな用事の為に外に出る。
 そして来島また子は年頃の女の子らしく、船の一室に若いエネルギーを閉じこめておくのが耐えきれないようで、しょっちゅう外出してはいろんなものを買い込んだりしてくる。のだが。
「これはないでしょう、また子さん」
 咎めているのか呆れているのか、丁度その中間の声音でため息をついたのは、武市だ。普段ならつっかかるだろうまた子は、正座したまま小さく縮こまっている。晋助様に傷を負わせたことがかなり堪えたようだ。
「全く、あなたくらいの歳の娘が猫と戯れていたところで、かわいくも何ともありません。猫をはじめとする小動物と一緒にいて和むのは、せめて十代前半まででしょう」
「アンタのツッコミどころはそこっすか武市変態」
「当然です。かわいらしさは世の真理であり、正義ですよ?」
「黙れ変態」
 とりあえずゲンコツで沈黙させてから、また子はおずおずと高杉を窺った。万斉に手当させた左腕を放り出したまま、隻眼は別のところを見ている。視線のいく先に気づいて、万斉が顔を上げた。
「おや。晋助は猫が好きでござるか?」
「ちげぇよ」
 それでも視線は、万斉の足下で煮干し混ぜご飯をむさぼる猫二匹に注がれている。白いもじゃもじゃ猫の方は、居心地悪そうに耳を伏せているが、黒い毛並みの猫は悠々とした態度でゆっくりと食事をしている。
「さすが、晋助を引っかいた豪傑でござるな。睨みつけられても堂々としたものでござる」
 興味なさそうに、高杉は視線を逸らした。おもむろに立ち上がり、窓際へ歩いて枠に腰を下ろす。
「でも、本当のところ、勝手に猫なんか拾ってきてはいけませんよ」
「拾ってきたんじゃなくて、ついてきただけっす」
「同じことだと思いますけどねぇ」
「いいじゃないすか、かわいいんだから」
「一見ただの猫に見えても、そうじゃないことは山ほどあるんですよ。猫型のえいりあんとか、猫に寄生した宇宙生物とか、二十二世紀の猫型ロボットとか」
「最後の明らかに違うっす」
「まぁそれは喩えとしましても、いくら可愛らしい猫とはいっても油断はならないということです。どこかの組織が送り出したスパイやも知れないのですから」
「まさか」
 また子は顔をしかめて、もくもくと餌を食べる猫の側にしゃがみこんだ。黒猫に手を伸ばそうとして、白猫に毛を逆立てられる。
「何すかコイツ」
「食事中にちょっかい出されて怒るのは、当たり前でござるよ」
 ぷーっと頬を膨らませるまた子を宥めてから、万斉は視線を武知に向けた。
「確かに武市殿の言うことも一理あるが、実際にこんな、手の込んだことを実行する組織があるとも思えぬが?」
「油断は大敵ということですよ。それに、桂あたりだったら、高杉さんが猫好きなのを見越してこんな罠を仕掛けてきてもおかしくはないでしょう?」
「誰が猫好きだってんだ」
 窓辺に向けられた三対の視線に、高杉は淡々とした声で応えた。和むんだかそうでないんだか判らない室内の光景に目もくれず、煙管をくわえて先端に火口を押しつける。
 黒い影が疾走ったのはその瞬間だった。
 真っ先に反応したのは、白猫だっただろう。ぴくっと顔を上げ、けれどそれ以上動くことはなく視線だけを鋭くする。それに気づいたのも後から万斉が「そんなように見えなくもなかった」と語っただけで、とにかく三人は彼らの戴く主の手から煙管がもぎ取られるのをただ見ているだけだった。
「……何するっすか晋助様にぃっ」
 悲鳴にも似た声に一切の注意を向けることもなく、高杉は足下の黒猫を見やった。小さな足は煙管を踏みつけて、琥珀色の瞳がまっすぐに隻眼を見据える。毛を逆立てるでも唸っているわけでもないのに、生意気な黒猫を怒ろうとしたまた子は言葉を発することができなかった。
「フミャゥ」
 気の抜けた鳴き声に、糸を幾重にも張ったような空気が弛んだ。
「晋助様っ」
 また子が駆け寄る前に、黒猫は飛びすさる。転がった煙管を拾わず、高杉の目は黒猫を追う。その視線を遮るように、白猫が黒猫に寄り添った。
「ナォ」
 短い鳴き声と小さくかわされた視線に、猫同士が何を語り合ったのかは知らない。追い出す、或いは捕まえるために誰かが動く前に二匹の小さな獣は、開かれた窓へと跳躍し、姿を消した。


(何考えてんだこのバカ、バカヅラっ)
(ヅラじゃない桂だ。何を怒っているのだ、銀時?)
(何じゃねーよっ。知った顔がいるっつーからついてきてみたら、何だよアレ。知った顔どころじゃねーよ何でバカ杉がここにいんだよっ?)
(理由を問われても俺は知らぬぞ。高杉に聞け)
(聞けるかっつのっ。ったく、メシにありつけたのはいいけどさ、下手したら三味線の皮にされてもおかしくなかったんだぞ?)
(高杉はそんなことはせぬよ。あれが猫に好かれるのを、お前も知ってるだろう)
(アイツが猫嫌いだから、猫に好かれんだろっ。それと、三味線的にヤバいのは高杉だけじゃないから。もう一人、もっと危ないのがいるからっ)
(何だ銀時、随分と弱腰ではないか。怖じ気付いた訳ではあるまいに)
(充分怖かったよっ。つーか何その言い方。まさか、またアイツんとこ行こうとか考えてんじゃねーだろーな)
(行くつもりだが)
(バカかおめーはっ。絶対目ぇつけられただろ、てか名指しで疑われてんじゃねーか既にっ。つーか何しに行くんだっ)
(決まっている。幾ら疑おうと、まさかこの桂小太郎本人が猫と化しているとは奴らも思うまい。油断している隙に、奴らの他のアジトや協力者、行動予定などを洗いざらい調べあげてやるわ)
(アホかぁぁぁぁっ。お前、昨日も同じ事言って真選組の屯所忍び込もうとして、沖田にとっ捕まりそうになったの忘れたのかよっ?)
(あれは、俺の愛らしい擬態に騙されてだな、)
(んなわけあるかぁぁぁぁぁぁっ!!)





                                   ~続く~
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by wakame81 | 2010-03-19 00:17 | 小説。  

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