お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

闇に踊れ:幕間~3

2ページで収まるところを、わざと三つに分けてみました。

というか、呼ばれてないのにジャジャジャジャーンしてる人がいます。すいません、リク主さますいません! 何か普通な顔してこの人出てきたんです!!









「…………何の真似だ」
「さて、どれの事だ」
「とりあえず、その格好は何だ」
「似合うかぃ?」
「全然、まったくこれっぽっちも似合わん。悪趣味極まりない」
「銀時よりは似合うだろ」
「あれは所詮コスプレだ。形を真似たにすぎん」
「形から入りたがるのは変わんねぇな」
「貴様もだ。芋の扮装などして、それで奴らを引き入れたのか」
「幕府の狗程度じゃ、よくて時間稼ぎが関の山だからな。テメェを渡す気もねぇし」
「…………」
「テメェこそ、久しぶりじゃねぇか、こんな博打うつのは。無血革命はどうした?」
「完全非暴力を掲げているわけではない。降り懸かる火の粉は自力で払うだけだ」
「テメェから火の粉を降り懸かりにいったくせに」
「俺からではないぞ。向こうが見当違いの方向に撒いていたからだ」
「それでわざわざ、消し止めにきたってわけかぃ。ヅラ」
「ヅラじゃない、桂だ。何だ。今更俺のやり方をとやかくは言わせんぞ」
「俺のことはとやかく言う癖にな」
「当たり前だ」
「……ヅラ」
「だから何だ」
「近いうちに、面白いもんを見せてやるよ」
「た、」
 言葉が吐息ごと飲み込まれ、沈黙が闇を支配して。
 風にもなりきれない大気の揺らぎに紛れるように、二つの影は分かれた。



             ◇      ◇      ◇



 タイムリミットを考えると、これ以上桂で遊ぶわけにはいかなかった。負わされた傷をある程度は回復させないと、次の仕事に差し支える。優先順位を考える、これが働く大人というものである。
「やぁ。お帰り阿伏兎ー」
 出迎えてくれたのは、あんちくしょうな上司の0円スマイルだった。こいつの我が侭のせいでと思うと、疲れも必要以上に感じるのも仕方ない。
「休暇はどうだった? なんだかずいぶんげんなりしてるね」
「帰って早々、問題児の顔見たら誰だってこうなるでしょうよ」
「問題児? どこに?」
 手をかざしてきょろきょろと辺りを見回すのは、素かわざとか。どっちにしたって厄介なのは変わりない。
「まぁいいや。お土産は?」
「んなもんありゃしませんよ」
「そっかー、残念」
 細められた眼は動くことはない。阿伏兎がなぜ地球へ降りなくてはならなかったかも、その胸の内もすべて知りながら、神威はこうして笑う。笑みが深くなるとしたらすべて彼の内の感情からくることで、自分が変化を与えることは決してない。
 第七師団が母船としている船の内装は古く、ところどころガタがきているように見える。船を壊しかねない荒くれどもがたむろし、たまに殴りあいそうな諍いの声が湧く。
 帰ってきたんだなぁと、思う。団長と右腕が話していても、誰一人はばかることなくそれぞれの興味のもとに話し、笑い、怒鳴り、ついでに殴りあっている。だから、阿伏兎も変にこそこそすることなく、「首尾は上々ですぜ」と告げた。
「それはよかった。それで、阿伏兎」
 声のトーンは変わらない。青灰の眼も細められたままだ。けれど、主の何かがふ、と変わる。
「ずいぶん、お楽しみだったみたいじゃない。聞いたよ?」
 誰に、何をだ。首筋の毛が逆立つのを自覚しながら思い浮かんだのは、人を食った笑みの裏に獰猛すぎる牙を隠した、隻眼の男だ。
 いや、それはない。少なくとも夜兎最強にして最凶の男の注意を、あれに向けたがるとは思えない。
「まぁ、はるばる地球くんだりまで行ったわけですからね。ちょっとは遊んでも構わんでしょう。休暇なんだし」
「いや、いいんだよ。俺としては、ツバつけてある彼に手出しされなきゃ別に構わないし」
 でも。
 うっすらと開かれた眼ほど、恐ろしいモノを阿伏兎は寡聞にしてしらない。背筋どころか全身の毛が泡立つ。
「阿伏兎がそんなに夢中になる相手だったら、今度紹介してほしいなぁ。どんな子なの?」
 本当に誰だ、余計なことを吹き込んだのは。
 はぐらかす為の言葉を探して、すぐに諦めた。適当な台詞は簡単に見破られるだろう。かといって正直に告げることもできずに、阿伏兎は慎重に言葉を選ぶ。
「そうだなぁ……団長のお気に入りとは真逆の奴ですよ」
 外見は、だけど。
 伏せた言葉に気づいたのかどうか、神威は「ふーん?」と笑った。
「まぁいいや。ところで本当にお土産ないの? コシヒカリでもササニシキでも」
「あんた米の産地詳しいな」
「そりゃチェックしてるよ。米がないならご飯ですよでもいいんだけど」
「そういうのは、出かける前に言ってくださいよ」
 食い物にしか興味のないガキ、の戯言と思えば痛い眼を見るのは自分だ。ただ神威とて、地球に降りなければ奴とまみえることは不可能であり、そこに阿伏兎は望みを見る。
 さて、どうするか。
 桂を追いつめるカードはまだ不揃いで、確信もない。
 つきつける選択肢すら絞れていない状況は、それはそれで阿伏兎の胸を踊らせ、そしてちりちりと焦がした。






                                       ~Fin~
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by wakame81 | 2010-03-08 00:21 | 小説。  

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