お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

Star Puzzle March:3

あれ? ベースは銀桂ですよね? いただいたリクはそうでしたよね?? 何でこうなるんだ一体?








「なぁんでここにいるアルかっ」
 最初に反応したのは神楽だ。箸を握りしめ、腰を落としてすっと構える。沖田は僅かに腰を浮かして、懐に手を入れる。エリザベスもプラカードを握りしめ、伊東は眼鏡の奥から冷たい光を高杉に投げかけた。
「何の用だね高杉君」
「面白いことやってんじゃねぇか、俺抜きで」
 なぁ、桂ぁと。言葉も視線も意識丸ごと、高杉はすぐそばの幼なじみに向ける。
「ヅラから離れるアルっ」
『貴様に食わせる肉も何もここにはない』
「ククっ、嫌われたもんだなぁ」
「高杉」
 低くなった声が、ゆっくりと吐き出すように名を紡いだ。
「何だぃ」
「お前、リーダーやエリザベスに何かしたのか? こんなに威嚇されて」
 口に出して表すのもめんどくさくなるような、ビミョーな空気がその場にのしかかった。真っ先に伊東が脱落し、神楽も疲れたようにため息を吐く。一人楽しそうに笑ったのは、むろん高杉だった。
「のんきなモンだなお前は」
「何のことだ。てか重たい、離れろ」
「離れると寒ぃだろうがよ」
「この寒空に、制服の上に何も羽織らず出てくるからだ。また風邪を引いたらどうする。出席日数危ないんだろう」
「そんなヘマはしねぇよ」
「そいつを甘やかすんじゃねぇ、桂っ」
 重苦しい、というか脂っこいもの食べ過ぎて胸がいっぱいになるようなそんな空気を切り裂くような声が響く。駆けつけた土方によって突きつけられたトングは、冬の陽の光を反射してまるで真剣のように光った。
「何しに来やがった、高杉ぃっ」
「さっきも言っただろう、俺抜きで面白いことやってっから見に来たんだよ」
「ふざけんなっ、こっちは面白くねーんだよっ」
「土方、バーベキューが楽しくないのか?」
「そうじゃねぇっ」
 ぎりり、と睨みつける。笑う子も震え上がらせる鬼の視線だが、効かない相手が実は多い。高杉も、その一人だ。
「オメーと桂が一緒にいて、面白いことがどこにあるってんだ。むしろ危険因子ばっかりじゃねーかっ」
「高杉。本当お前何やった? 何なら俺が一緒に謝ってやるぞ」
「必要ねーよ。まだしてねぇ」
「まだってことはこれからするのかっ」
「なぁ桂。魚ねぇの魚」
「お前はもうちょっと野菜とお米を食え」
「話聞けぇぇぇっ。どうせまた妙なことでも企んでやがんだろっ」
「やっぱりお前、何かしたんじゃないのか?」
「だから憶えがねぇよ」
「嘘つけっ」
 土方のこめかみの青筋がどんどん膨れあがる。神楽やエリザベスも、飛びかかる隙を窺う、が、さすがというか何というか、そうそうそんな隙は見つからない。
「どーせ肉食いに来たんだろぃ。だったらくれてやるよ」
 土方を押しのけて前に出たのは沖田だ。肉を挟んだトングを、高杉の目の前まで押しやる。
「ほら食え」
「そんな、タバスコだか唐辛子だか知らねぇが、有害域までぶっかけて真っ赤に染まった肉誰が食うか」
「ちっ。チャイナぐらいバカなら引っかかるんだけどなぁ」
「どーゆーことアルか、ちょっと顔出せやクソガキぃぃっ」
「まぁまぁみんな、落ち着こうーーーっ」
 そこに馬鹿でかい声が割り込む。風紀委員メンバーと桂は声の方を振り向き、神楽は沖田につっかかる最中、エリザベスだけが高杉と睨みあう。
「近藤さん」
「トシも総悟も、チャイナさんもみんな落ち着こう。な、昔は昔、今は今。せっかくのバーベキューでそう殺気立つこともないだろう?」
「だが近藤さんっ」
「美味い肉とご飯とお妙さんを前にして、争いあう理由もないだろう。な、な?」
「つーかさ」
 更に割り込んだ声は、高杉の背後を素早く取る。振り返る前に、バスンと教員ファイルが頭を叩いた。
「お前、別クラスじゃん」
 授業さぼって何やってんのーという声は、のんきに冬の空に溶ける。続いて、「あ、そうか」と手を叩いて間の抜けた音を立てたのは、桂だ。
「ということで、早くクラスに戻りなさーい」
「自習だよ腐れ天パ」
「だーれが腐れ天パですか。目つきの悪さは変わんねーのな。ついでに背の低さも」
「テメェはろくでもねぇ事しか言わねぇ口は健在なんだな。ついでに根性ひん曲がった頭も」
 桂を挟んで、火花が散り合う。今のうちに、とは誰もが思ったが、交わし合う視線の鋭さに割ってはいる隙間もない。
 それを打ち破る声は、空から降ってきた。
「晋助さまーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
 拡声器でも使ってんのか、と思うくらいの声だった。皆が見上げた先は、理科室やパソコンルームの並ぶ専門棟、その最上階の窓が寒風なんぞクソ食らえの勢いで開けられている。
「桂ぁぁぁっ。また晋助様をたぶらかしたなぁぁっ。とっとと離れろっすーーーっ!!」
 うっわーとため息をついたのは誰だったろうか。夜叉と鬼の睨みあう、戦場のような空気は一瞬にして掻き消える。
「今すぐ離れないと、実力行使しに行くっすからっ」
「はいはいアンタも授業中でしょ」
 こちらはさほど大きくはない、けれどよく響く野太い声が、たたみかけるように響く。
「今の腹の底から声出す感じ、どうして歌の時にはできないのかしらねぇ。とにかく窓閉めて戻りなさい。馬に蹴られても知らないから」
「蹴られるのどっちっすかっ。バケモノは黙ってろっすっ!!」
 続いたのは、この世のモノとは思えない悲鳴だった。良い度胸してるよな、と、ぼそりと土方がこぼす。怒り狂うこと鬼神のごとしと呼ばれる音楽教師西郷特盛に対して、あんな暴言を吐ける猛者はそうそういない。
 ぴしゃりと音楽室の窓が閉められ、再度どーしよーもない空気が降りる。
「…………高杉」
 場の空気を読まない、或いは読んだ上で踏みつぶす男が口を開いた。
「助けに行かなくていいのか?」
「行ってどうしろってんだよ。来島の自業自得だろ。放っとけ」
「いーや、放っておけませんね」
 さらに外野からかけられた声に、一体何人が「また増えた……」と呟いただろうか。
「しかしさすが、また子さんですねぇ。高杉さんを探し出すことにかけては誰にもひけを取らない」
「西郷先生の授業中なのにわざわざメール送って晋助を探させるとは、とんだ腹黒策士もあったものでござるな」
「こっちもあまり授業に穴を開けたくないのですよ」
 渡り廊下からこっちに向かってくるひょっとことサングラスに、露骨に顔をしかめたのは高杉だ。一歩退ろうとするが、桂はもちろん動く理由はない。もたれかかった肩から離れる選択肢は当然ないので、その場で二人に冷たい視線を送る。
「何だよテメェら」
「授業を抜けたことが先生に知れたのでな、連れ戻せと言われたのでござる」
「だ、そうだぞ、高杉」
「お前は黙ってろ」
 桂の後ろ頭を軽く小突き、高杉はめんどくさそうに口を開いた。
「どうせ消化授業だろ」
「そうはいきませんよ。高杉さんとて受験生でしょう。眠ってても点数の取れる授業とはいえ、出てもらわないと」
「良いことを言う」
「だからお前は黙ってろ」
 いちいち桂につっこむ高杉に、痛恨の一撃を与えたのは万斉の言葉だった。いや、正しくは万斉の口を通した、昼行灯な数学教師の言葉か。
「はよぅ戻らんと、あのことをばらすぞー、だそうだが」
「………………」
 低い舌打ちが、高杉の口から漏れる。「あのことって何アルかー」と桂の袖を引っ張る神楽をぎりっと睨みつけてから、桂の側を離れた。
「あの陰毛頭め」
「昔なじみはコワイでござるな」
「高杉。あのことって何だ」
「だからお前は黙ってろ」
 最後に桂にでこぴんを入れてから、高杉はやっと立ち去っていく。台風の爪痕を見た時のようなげんなり感を感じなかった者は、おそらくいなかっただろう。一人を除いて。





                          ~続く~
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by wakame81 | 2010-01-13 23:15 | 小説。  

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