お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

かみさまのいうとおり:2

皆さま、明けましておめでとうございまーす。年またぎでリクをお送りします。さい先が思いやられますうちのサイトを、今年もよろしくお願いいたします(ぺこり)。

銀桂入れ替わり中です。桂サイドは桂視点で書こうと思ってたのに、いつの間にか新八視点になっている摩訶不思議。だって、新八書きやすいんですもん。さすがは語り部。







 7時。
 驚きとため息と呆れの混ざり合った顔の子供達を前に、桂(in銀時)は得意げに笑ってみせた。
「うわー、いつも死んだ魚みたいな銀ちゃんの目が、きらきらしてるネ。ヅラか、本当にヅラアルか?」
「ヅラじゃない桂だ。ほら、ちゃんと朝ご飯も作ってあるぞ」
「いや、今日の食事当番僕だったんですが、てか何てことを……」
 新八が何故虚ろな目になっているか、桂(in銀時)は知らない。残りご飯を味噌汁で煮込んでも思ったほど量は膨らまなかった、そのせいだろう。
「雑炊なのに、なんか香ばしい匂いがするアル」
「雑炊焦がすって、どういう料理すればこうなるんですか。見た目はまともなのに」
「うぇっ。味噌汁なのになんか甘いアルっ」
「うむ。塩を入れてみたのだが、何故か甘みばかり増してくるのだ」
 ほら、あそこにあるあの入れ物の、と聞いて、新八はがっくりと肩を落とした。
「桂さん、それ塩じゃなくて砂糖です」
「なぬ? いつの間に入れ替わりの術が」
「ここ一年はずっと砂糖です。てか、味見したんですか、桂さん」
「したぞ」
 自信満々に、しかも普段死んだ目をした男の姿で言い切られると突っ込む気も失せる。とりあえず消費を頑張ってみたが、二口目で食欲も失せた。
「どうした新八くん。朝はしっかり食べないと、身が保たないぞ」
「自分も残してる人に言われたくありません」
「つーかそっちもよこせヨ」
 ビミョーな味の雑炊をきれいにたいらげた神楽が、新八と桂(in銀時)のぶんまでかっさらっていく。行儀が悪いよ、と、注意も形だけだ。
「でも、どうして入れ替わりなんか?」
 食事の後に、お茶を淹れる。桂(in銀時)が張り切ろうとしていたが、それでは口直しの意味がないと新八が寄り切った。しかし、銀時の外見でこんなに甲斐甲斐しいのも何か不思議というか、居心地が悪いというか。
「一年も前から砂糖だったのだろう?」
「砂糖と塩じゃなくて、桂さんと銀さんの話です」
「おお、そうか。そういや、入れ替わっていたな」
「忘れないでくださいよ、大事な事じゃないですかっ」
「それで、どこの階段から落ちたアルか? どーせヅラのことだから、またサンダルでゴミ出ししたに違いないネ。新八、お茶おかわりぃ」
「今このタイミングでそれ頼む?」
 絶対、僕が戻ってくるまで待っててくださいよ!と念押ししてお湯を足しに行く。蒸らす間も惜しんで速攻帰ってくると、話題は既に芸能人の熱愛報道に移り変わっていた。
「今はこの世で一番愛してるとか言ってても、どうせ2~3年後には不倫疑惑とか離婚騒動が流れてるネ」
「リーダー、そんなことはないぞ。せめてあと3年と半年くらいは保つだろう」
「大して変わってないわぁぁぁっ! てか、僕が戻ってくるまで待っててって言ったじゃないですか桂さん。どこの角で出会い頭にぶつかったんですか、そこ大事なんですからねっ」
「どこと言われても」
 首を傾げる桂(in銀時)の注意は新しく淹れ直したお茶に向けられてて、まなざしこそ鋭いものの銀時の外見だと誤魔化されているようにしか見えない。もう一度問おうと口を開いた時、先んじて低い声が答えた。
「そもそも、俺はここ数日銀時とぶつかったりも、怪談から落ちたりもしてないのだ」
「……え?」
 一度聞いたらしい神楽は、二人を見比べながら、手をテレビのリモコンへと伸ばす。固まった新八を余所に、一口お茶をすすってから桂(in銀時)は続けた。
「つまり、原因が皆目見当がつかんのだ」
「ちょ、それって大変じゃないですかっ。のんびりお茶すすってる場合じゃないですよっ」
「まぁ落ち着け新八君。ところで、いちご牛乳とやらは常備されてはおらんのか?」
「へ?」
 中身が桂でも、銀時の肉体は甘味を欲しがるのだろうか。という思考すら、真っ当に働かない新八は、きょとんと目を瞬かせる。
「まだあと一本残ってるはずアル。昨日もらおうとしたら怒られたネ」
「まったく、リーダーにひもじい思いをさせておいて何をやってるのだ彼奴は。構うことはない、リーダー、全部飲んでしまえ」
「いいアルかっ?」
 頷いて、桂(in銀時)は立ち上がった。台所へと駆け去る神楽を見送ってから、胴体を左右に捻ってみせる。
「少しこの身体で動いて思ったのだが、銀時の奴少し身体をなまらせているな。丁度良い機会だ、この際絞った方が良かろう」
「いや、確かに糖分控えてくれるのは助かりますけど、でもそんな呑気なことでいいんですか?」
 長い間入れ替わったままだと、互いにどんな影響がでるのか判らない。そもそも桂は銀時の体で攘夷が為せるとは思わないし、銀時が桂の身体に入ったまま戻ってこれないのもイヤだ。
「焦っていても仕方なかろう。原因が判らないのだから」
「だったら、せめて銀さんを探すとか」
「いや、この時間ならもう無理だ」
 桂(in銀時)の視線に釣られるように、新八も時計を見上げた。7時46分。朝食の支度が早く終わったために、万事屋の始動時間にはまだ余裕がある。いつもなら、結野アナを餌にして銀時を叩き起こす頃だ。
「実は、今日から会合のために江戸を離れる予定でな。今頃はもう、汽車の中だ」
「……ええええぇぇぇええっっ?」
「まぁエリザベスがついているし、何かあるならすぐ連絡はつくだろう。それまで、よろしく頼むぞ新八君。いや、よろしく頼まれてやろう。フハハハハハハハハハハハ」
 仁王立ちしながら高笑いが響く。ぺちゃんこになったいちご牛乳のパックを手に、神楽まで加わってもう手がつけられない。これって特別手当出ないかな。高笑いの二重奏を遠くに聴きながら、新八はそんなことを考えていた。


 9時15分。
『なんだってぇぇぇぇっ?』
 エリザベスの手もプラカードの文字も、激しく震えていた。眼が真っ赤に血走っている。
 ただならぬ白ペンギンの様子にプラットフォームの上にいた人々の視線が向けられる。朝の山手線ほどじゃないとはいえ、結構な数だ。目立たないようにじゃなかったのかよと、銀時(in桂)は心の中で呟く。
『お前が桂さんじゃないというのは、本当か?』
「本当も本当、正真正銘の銀さんでーす」
『何てことだ、確かに、自分の手伝いナシに素晴らしい変装をやってのけたが、まさか、そんなことが』
「お前の感じた違和感ってそこかよ。つーか明らかに色々違うだろーがよ、言葉遣いとか態度とか? てか、これおめーが手伝ってたのか」
 そう言いつつ、紺色に薄紅の桔梗模様の小袖をつまむ。頭を振る度に、さらりと黒髪が流れ落ちる。パー子のウィッグとは違う、滑らかな質感が落ち着かず、緩く束ねて緋色の紐で止めてもそれは変わらなかった。
「けどさ、なんでこんな格好」
『変装のためだ。桂さんを狙う輩は後を絶たない。芋とか芋とか』
「ほぼ相手絞られてんじゃん。つかさ、なんでよりによってヅラ子っ? もっとまともな変装はねーのかよっ」
 昨日がパー子で今日はこれ、と思うと、元からなかった意欲はどんどん底値を割っていって、最早世界恐慌でも引き起こしそうな勢いである。しかも、エリザベスは鼻息荒くして桂(中身銀時)に化粧と髪結いを施そうとしたのだ。桂の不器用さなどイヤと言うほど知り尽くしている銀時とはいえ、あれは引いた。
『これが一番意表を突くかつ似合うのだ。自分だって、中身が桂さんじゃないと思ったら勧めなかった。やけに、変装を嫌がると思ったら……』
「他にねーのかよ、俺が中身だってのに。アレと同じ電波とか抜かしやがったら四分の三殺しにすっぞ」
『桂さんがお前と同じであるものか。あの人なら、何をしてもおかしくない。それほどの器だぞ』
「あーはいはいそうでしたー」
 埒があかないので、渋々ながらもこの問題は脇に置いとくことにした。今、より重要なのは。
「んで、あれナニ総一郎くん、まさか毎日来てんじゃねーだろーな」
『厄介なことにほぼ毎日だ。いや、今はそれどころじゃない、本物の桂さんをどこにやった』
「俺に聞くなよ俺が誘拐したわけじゃねーんだから。多分、俺んちじゃねえの」
『かぶき町? 遠いじゃないか。どうしてくれるんだ』
「どうしてって」
 ここは、かぶき町のある内藤新宿から汽車で一時間ほど西へと向かった場所だ。ここから更に乗り換えて、木曽路を進むことになっていると、さっき聞いた。次の汽車はあと20分近くは来ない。天人の技術で近代化した江戸と比べると何という田舎だというところだが、地域によっては線路すら通っていないところがあるという。開国して二十余年、まぁこんなものなのだろう。
 ホームに並ぶのは、地元の人々らしい。長旅にはとても思えない、身軽な格好ばかりだ。たまに大きな籠を見ると思ったらどうやら行商のおばちゃんらしく、いきなりホームで店を広げて魚やら何やらを売ったりしている。風が多少冷たいが、日射しは暖かい。ホームの端ではまだ散りきらないイチョウが黄色の葉を揺らし、近くの家の庭では柿が甘そうに色付いている。
「戻りゃぁいいじゃねーか。帰りの電車だって、あと何十分か知らねーけど来るんだろ?」
 これ以上田舎に行ったら、明後日のジャンプも発売日通りには出なさそうだ。きちんと月曜日(時々土曜日)に読めないと、禁断症状を起こす。多分。
『それじゃ間に合わない。今から戻ったら、今日中に着けなくなる。そうしたら、桂さんの信用問題に関わる』
「つーか、どこまで田舎なとこに行くんだよ。もっと交通手段のいいとこにしろよ。相手方にも失礼だろーが」
『ここだけの話だが、会合の場所は知られざる秘湯として有名なところでな』
「秘湯っつったら聞こえいいけどな、それって単なるド田舎ですから。響きの良い言葉でごまかしてっけど山奥なことには変わりないから」
 第一、秘湯というものにろくな思い出がない。またスタンド温泉的なものだったらどうするつもりだ。特に今は、こっちのスタンド事情が大変なことになってるのだ。自分までスタンドの仲間入りなんて冗談じゃない。
 ということで、ジャンプのためにも銀時(in桂)としては引き返したかったわけだが、無意味に渋い顔で腕組みした挙げ句、エリザベスの上げたプラカードは、信じられないものだった。
『今から江戸に戻っても、中身を元に戻す手段も判らない以上仕方ない。桂さんの代役、しっかり勤めてもらうぞ』
「できるわけあるかぁぁぁぁっ!!」




                                        ~続く~
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by wakame81 | 2010-01-02 14:25 | 小説。  

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