お知らせ

●6月24日の東京シティに、桂さんお誕生日二日前企画のアンケート本を作ります。つきましては、皆様にアンケートをお願いします。名付けて、「銀魂キャラクターなりきりアンケート「ヅラに誕生日プレゼントを用意しよう」です、よろしくお願いしまーす。
●桂マイナーcpアンソロ、2011年6月シティのコタ誕で発行しました。
●アンソロ本文に、誤字を発見しました。
お取り替え、てか修正については こちら をごらんください。
今現在、修正関連のお知らせはhotmailには届いておりません。「送ったけどやぎさんに食べられたっぽいよ!」という方がいらっしゃいましたら、拍手か こちら までお願いします(爆)

少年よセカイを開け:1

まだ途中なんですが、リクその2。おそらく流れを、明日のジャンプ感想がぶった切るかと思いますがご容赦を。
「拙本『花に嵐』のその後で、カッコイイ沖田と桂さんで、甘め」。高杉出て良い?お呼ばれしていい?
時期的には、古兵衛の回の後日談をメインに、コミックス31巻あたり。

冒頭に、ちょっと前回までのあらすじ入ってます。







前回までのあらすじ。
桂を追いかけて、押し倒してちょめる所までこぎ着けた沖田くんですが、高杉の登場で自分が桂さんに釣り合わないと感じ、もっと大きくなるために一度別れたのでした。こう書くと少女漫画のようだ(笑)。


「土は土に還るがいい」
 踏み台一位の二人をあるべきところへと堕とした時には、桂の姿はなかった。何も不思議なことではない。制服をまとった自分たちと馴れあう奴じゃないし、その程度には警戒されてるのは、敵なのだとしっかり見てくれているようで嬉しかった。
 その時すら思い至らなかった黒幕の存在を沖田が知ったのは、後日山崎の口からで、そして初めて事の全貌が見えたのだ。
 坂田銀時すら気づかなかったそれを見抜いていたのは、桂だけだった。おそらく、最初の暴動の時から。
 こういう時、思い知らされるのだ。自分と、桂そして高杉晋助との距離に。


 例年より早くほころびはじめた桜の蕾を嘲笑う用に寒さのぶり返した春三月、その寒さを吹き飛ばすような勢いで、真選組屯所は燃え盛っていた。
「昨夜、山崎から連絡があった。奴らのテロの拠点を、ついに突き止めたそうだ」
 毎朝の近藤からの訓辞の後を継いで土方がそう口にした途端、荒くれどもたちはわき返った。久しぶりの大捕り物だ。普段、近藤の恋の行方をはやし立てたり寺門通をはじめとするアイドルにうつつを抜かしてはいるが、中身はしっかりと笑う子も泣く鬼なのだと思い直す。
「決行の日時はまだ不明。踏み込んで得られる証拠もまだ不充分だし、何より期を見誤れば幹部連中を取り逃がす恐れがある。しかし、こちらが奴らの計画を掴んでいることが知れれば、せっかくの機会を逃すことになりかねん。今まで以上に、気を配ってくれ」
「「「はいっ」」」
 隊長、副隊長格の野太い返事が響く。一人応じなかった沖田は、一同を見渡す土方に「はーい」と手を挙げた。
「んーなまどろっこしいことしてるヒマはあるんですかぃ。奴らがテロを起こそうとしてるのは確かなんだ。一刻も早くふん縛ってやりゃぁいいじゃねぇですか」
「言っただろう。期を見誤れば取り返しのつかねぇことになる。やるなら一息に、だ。打ち漏らして暴発を招くわけにはいかねぇんだ」
「取り返しのつかねーことって、なんですかぃ」
 鋭い鋼色のまなざしを、沖田は真っ向から見据えた。この眼を、怖いと思ったことはない。暫しの睨みあいの後、土方は書類へ眼を落とした。まるで、逸らされたようだというのは気のせいだろうか。
「奴らの兵器を押さえねぇまま、人脈や金のつながりも掴めねぇまま残党に姿をくらませられることだ」
 他に質問は、と、沖田の反応も待たずに話題を変えられる。
「田中古兵衛はこっちの手の内にあるんですぜ。計画が漏れてるのもバレバレなんじゃねぇですか」
「奴が並じゃねえ実力を持った人斬りだってのは、向こうも承知だ。そう簡単に口を割るたぁ思ってねーだろ」
「そうだぞ総悟。お前じゃなかったら、奴はゲロしなかったんだから」
 近藤が得意げにフォローを入れる。沖田のことを我が事のように喜ぶ顔は、けれどいつものように沖田をなだめてはくれなかった。
 そのまま朝礼は終わった。各々警ら、屯所詰め、休暇に散っていく中、一人黙ったまま部下を見送る副長を見やる。沖田が残ったままだとはいえ、気にする土方ではない。が、今日は目も合わさず、近藤を引っ張っていく。
「どうしたんですか、沖田隊長」
「いや?」
 付き従っていた一番隊の副官に肩をすくめて見せて、沖田は立ち上がる。
「今日は、一番隊は屯所詰めとなっております」
「ふーん、そうかぃ」
「隈無のほうから、隊長にお話があると」
「ならお前テキトーに聞いとけ」
 どうせ、隊や屯所のどこそこが汚いとかそういう話だ。或いはこの前掃除当番を部下に押しつけたことへの説教かも知れない。いずれにせよ聞く気はなく、沖田は屯所の奥へと足を運ぶ。
 半地下にある、窓もないじめっとした部屋。そこに、奴はいた。
 囚人番号3ー二○三四。通称人斬り古兵衛。幕府の役人三十五人を殺害し、大勢の幕吏に囲まれながら更に七人を斬り捨てた、脅威の殺人鬼。過激派攘夷浪士集団・暁党の切り札にして幹部。取り違えられた一般人と同じく、終始人を食ったような笑みを浮かべていた男は、今はやつれはて、虚ろな眼でじっと床を見つめていた。
 見張りの隊士が沖田を見て敬礼をする。様子を問う副官に、彼ははきはきとした声で答えた。
「おとなしいものです。話しかけても一言もしゃべらないのは変わりません。食事は、水と汁物くらいしか口にはしませんが。それも、こっちが手伝ってやって、やっとですよ」
 沖田は黙って、牢の格子戸を蹴飛ばした。耳を強く打つ音に、捕虜はビクリと顔を上げ、真選組最強の男の姿を見てさっと目を逸らした。
「岡田似蔵、河上万斉に並ぶと言われた人斬りが、今はこの様か」
 わざと嘲るような声を上げた副官にも、何も応えない。耳をほじくって、沖田はくるりと背中を向ける。後ろで副官が、引き続き警戒を怠らないよう指示をし終えるのを待つこともせずに拘置所から出た。
「あれはもう、隊長に、逆らう、気力も、ない、ですよ」
 走って追いついてきた副官は、切れ気味の息をそのままに沖田に話しかける。
「だなぁ」
「知っていることもあらかた吐いたでしょう。いったい何故あそこに?」
 沖田は答えず、見えなくなった扉へと振り返る。
「奴をとっ捕まえてどれくらいになる?」
「えー、確か、今日で八日目かと」
 一週間以上、自分たちはテロリストの幹部を押さえていることになる。逮捕した事実は世間には伏せているが、情報が漏れていてもおかしくはない。
「土方さんも、のんきなモンだなぁ」
「副長が慎重になるのも、不思議じゃないと思いますよ」
 元が武家の出でない者がほとんどだが、血気盛んな連中ばかりの真選組だ。普段地獄の獄吏もかくやという厳しさで隊をまとめ、鬼とまで言われる土方だが、いやだからこそ事を起こすには慎重になる。
 それは沖田にも判る。判らないのは、正論を吐いてるくせに歯切れの悪いあの態度だ。
「迷ってる……実は時間があまりないことにか?」
 人斬りの口から計画が漏れていることに、テロリストどもが気づくのは時間の問題だ。
「どうでしょうかね。みんなが言っている通り、沖田隊長じゃなかったらまだ何も吐かせられてなかったでしょうし」
「んなこたねーだろ」
「いや、そんなことありますよ。でも、謙遜なんて珍しいですね」
 笑う副官の方こそ、沖田にとっては不思議でならない。一体どうして、田中古兵衛を大きく評価するのか。
「そりゃ、沖田隊長は剣であの人斬りに勝ったから、」
「そっちじゃねぇや。てめーは何にも思わなかったってのか」
「何がですか?」
「桂を……いや、やっぱいいわ」
 首を傾げられてはそれ以上話し合う気も失せる。近藤や土方、山崎あたりなら理解できるのだろうか。
「……止めた」
「え、隊長何のことですか?」
「んじゃちょっくら警ら行ってくっから、あとヨロシク」
「ちょ、隊長っ? 駄目ですよ、一番隊は何かあったらすぐ出られるようにしとけって副長が、あ、隊長ーーーっ」
 喚く副官をおいて、さっさと走り出す。沖田にとっては目を瞑って歩けるほど馴染んだ屯所だ。撒くのにそう苦労はいらない。
 副官だけでなく他の部下たちもが沖田の名を呼んで屯所を駆け回るのを後目に、私服に着替えた沖田は何食わぬ顔で門をくぐる。
 ぐるぐる考えるのは性に合わない。土方が何の思惑であんな行動を取るのか、本人がごまかすなら知っている奴に聞けばいいのだ。


                                    ~続く~
[PR]

by wakame81 | 2009-11-30 00:23 | 小説。  

<< 第287訓。 たまはじめ。 >>